それでも、変わらぬ愛を
「わかりましたよー!」
自分で踏ん切りをつけるように声を上げてから、カイルはゲオルグの体を押し返した。言葉と反対の行動をとるカイルに、ゲオルグは眉をしかめる。
だがカイルは気にせず、ゲオルグの下から抜け出した。一旦そうと決めれば、カイルにもう迷いはない。額あてを外しながら、カイルはあっさりとした口調で言った。
「服、脱ぎましょー? しわになったら嫌ですもん」
飾りタスキはいつでもひらひら優雅にたなびかせていたいのだ。変なしわが付いているなど、以ての外。吹っ切ったとたん、カイルはそんなことがどうしても気になった。
上着を脱いでたたんでベッド脇のテーブルに丁寧に置き、次にタスキを外しに掛かるカイルに、はぁ、とゲオルグの溜め息が聞こえる。
「変わり身早いな・・・」
一ヶ月にわたって渋ってきたのに、と不思議がりつつ呆れているらしい。そんなゲオルグの気持ちもわかるが、その気になったのは本当なのだから、ゲオルグにも早く状況に順応して欲しかった。
「ゲオルグ殿も、オレがまた気を変える前に、脱いだらどうですかー?」
「・・・・・・」
ゲオルグはカイルの真意を測るように、しばらくじっと見つめる。カイルが何か企んでいないか、疑っているのだろう。
だが、カイルはその間も、革鎧を解いていく。そんな姿になって、さすがにもう逃げるつもりはないと思えたのか、ゲオルグはやっと肩の力を抜いた。
「・・・まあ、お前らしいといえば、らしいかもしれんがな」
苦笑いを浮かべながら、ゲオルグも自分の騎士服に手を掛ける。
カイルは、変な光景だなと思った。これからセックスをする男女が、黙々と自分の服を脱いでいるのだ。割り切った関係ならともかく、恋人同士で。
ムードもへったくれもないなぁと、脱ごうと言い出したのは自分だが、カイルはちょっと呆れた。服を脱がすという、男なら楽しみたい過程にゲオルグは興味がないのだろうかと、ちらりと思うが。本人が何も言わないのだから、まぁいいだろうと思った。カイルには男に服を脱がされて喜ぶ趣味はないのだ。
革鎧やらを外し、内着だけになって、さっさと脱いでしまおうと思っていたカイルは、しかし手をとめた。そういえば、今日こんなことになると思ってもいなかったので、下着は上はさらしだし下はいつもの色気も何もないものなのだ。かといって、事前にこうなるとわかっていても、女らしい下着を用意する気もさらさらなかったのだが。
しかし、いざという段階になれば、多少は心配になる。女らしさは期待しないで下さい、とは言ってあるが、果たしてゲオルグは本当に興醒めしないだろうか、と。自分だったらやっぱり、可愛いもしくは色っぽい下着を期待するけどなぁ、とカイルは思った。
ともかく、ゲオルグがどういう好みかはわからないが、さっさと全部脱いでしまえば問題ないだろう、とカイルは結論付けた。
そうと決まれば早速、内着を脱いでさらしも解く。するとそんなカイルに、ゲオルグが少々眉をしかめながら顔を向けた。
「お前は、脱がせる楽しみを、少しも味合わせてくれんつもりか?」
「・・・・・・・・・」
やはり、脱がせるという過程はゲオルグにとっても大事らしい。脱がせたいと思うその気持ちは、カイルにもわからないでもない。だからカイルは、じゃあパンツは脱がないでおこー、と手をとめた。
ゲオルグはブーツを脱ぎ上半身裸になった段階で、服を脱ぐ手をとめて、カイルに近付いてくる。肩に手を掛けられ、つい怯みそうになってしまうのを抑えるカイルに、ゲオルグはゆっくりとキスしてきた。
次第に深い口付けへと移行させながら、ゲオルグはカイルをベッドへと押し倒そうとしてくる。ぐぐぐと肩に乗るゲオルグの手にも力が篭り、カイルは思わず眉を寄せた。その手を掴んで、自分から引き剥がそうとする。
「・・・・・・カイル?」
この期に及んで嫌がっているのかと、ゲオルグは疑うようにカイルを見る。だがカイルは、構わずに少し力の抜けたゲオルグの手を引き剥がした。そして、勢いよくゲオルグの体を、逆にえいっと押し倒す。
そして圧し掛かってくるカイルを、ゲオルグは当然訝しげに見上げた。
「・・・なんだ?」
「・・・別に、いいじゃないですかー」
どうせ、自分が抱かれるほうなのだから、ちょっとくらいは自分のほうが上になってもいいだろう、カイルはそう思ったのだ。
「・・・まあ、構わんが」
覆いかぶさってくるカイルからは、綺麗な金の髪がさらさらと自分に降り掛かり、乳は重力に従って垂れ下がりゲオルグに触れられるのを待っているようで、さらにその向こうではゲオルグの体をまたぐ為に大きく開いた足が見え、なかなかの絶景になっている。
カイルはそんなことに、全く気付いていなかったが。ゲオルグがされるがままおとなしく寝転がっているのに気をよくして、カイルはゲオルグにちゅっちゅとキスを落とす。
それからカイルは、ゲオルグの男らしい立派な胸板に触って、呟いた。
「逞しいなーいいなーオレもこういうのが欲しかったなー・・・」
「・・・・・・」
本気で羨ましがって言うカイルに、ゲオルグはなんともいえない視線を向ける。だが、すぐにニヤリと笑って手を持ち上げた。
「お前だって、充分立派なものを持っていると思うがな」
ひょいと、ゲオルグは右手にカイルの乳房を収めた。
「・・・・・・!」
初めて他人に胸を触られて、カイルはつい息を呑む。そのままゲオルグの手が揉むように動かされ、もれそうになる声を唇を噛んで堪え、顔を俯けた。湧き上がってくる初めての感覚に、戸惑いつつも、抗えないものを感じる。
「・・・急に大人しくなったな」
面白がるように言われて、はっとしたようにカイルは慌てて平静を装おった。
「そ、そんなことないですよー」
否定したところで、経験豊富なゲオルグにはバレバレなのかもしれないが。それでも虚勢を張りたいカイルは、ゲオルグの顔や首筋に口付け、上半身に手を這わせた。
だがその動きも、ゲオルグの手が脚の付け根に伸びてきたせいで、とまってしまう。
「・・・・・・っ・・」
下着の上から軽く触られただけで、カイルの体はびくりと揺れた。
なんせ、カイルは他人は勿論、自分で触れたことも風呂を除いてほとんどない。自分の性を意識するのが嫌で、触れずにきたのだ。
だがそんなことおかまいなしに、ゲオルグの手は下着の上から形を確かめるように数度撫で付け、そして今度は下着の内側へと侵入してくる。
「・・・っん・・・!」
カイルは次第に腕で体を支えるのがつらくなっていき、ゲオルグの胸板に腕をついた。
目の前すぐに、ゲオルグの顔。自然とキスして舌を絡めながらも、ゲオルグの手は巧みに動き続け、もう一方の手で乳房を刺激する。
上になっても関係なく、ゲオルグに翻弄されているようで、悔しい。そう思ったのも最初のうちだけで、カイルはすぐに何も考えられなくなった。
ゲオルグの肩から胸にかけてに顔を押し付けながら、カイルはゲオルグの愛撫に喘ぎ声を出すしか出来なくなる。
そんなところを触られることに対する抵抗感、湧き上がる快感、そして隠しようもない、ゲオルグに愛でられていることの喜び。
やがて達して、カイルはぐったりとゲオルグの胸に倒れ込んだ。
ゲオルグはぐるりと体を入れ替え、そんなカイルを今度は見下ろす。
「どうした、呼吸が荒いぞ?」
揶揄うように言われて、むっとしつつカイルは、半分諦めて言った。
「もー、どーせ初心者のオレはゲオルグ殿には敵いませんよー。あとはお任せしますー」
「賢明な判断だな」
にやりと笑うゲオルグを、カイルは口を突き出しつつ見上げる。
「・・・・・・」
今に見てろよ、とカイルは思った。その時点でゲオルグとの「次」を考えている自分に、カイルはまだ気付いてはいなかったが。
ゲオルグはカイルの下着をさっと抜き取り、そのままカイルの抱えた脚を左右にぱかっと広げた。さすがに羞恥を感じるが、さらにゲオルグはそこをじっと見つめた挙句。
「さすが、未使用だけあって、綺麗な色だな」
などと、ふっと笑って言うので、カイルはまた口を尖らせることになる。
「そういうことは言わないで下さいよー」
デリカシーないですねー、とゲオルグの顔を蹴ろうとしたが、足首を掴んでとめられてしまった。
そしてゲオルグは、そのまま脚の付け根に顔を寄せ、舌を這わせてくる。カイルはさすがに焦った。
「げ、ゲオルグ殿、もういいですーさっさと突っ込んだらいいじゃないですかー・・・!」
カイルはゲオルグの頭を押しつつ訴えたが、ゲオルグは顔を離してくれない。
「何事にも、手順ってものがあるだろう?」
「で、でもー・・・!」
それはわからないでもないが、やっぱり抵抗感があるどころじゃない。カイルは引き続き頭をグイグイ押して離させようとしたが、ゲオルグの舌遣いに力が抜けてしまった。指とはまた違う刺激に、カイルの手は次第にゲオルグの頭にただ添うだけになってしまう。
「ぁ、ん・・・っ!?」
目も眩む感覚に、しかし不意に痛みがまじった。ゲオルグの指が、カイルの狭い内部へとゆっくりと侵入したのだ。
痛みに顔をしかめれば、舌で今までより強く刺激され、今度は快感に声を上げる。そんなことの繰り返しがしばらく続き、やっとゲオルグが舌と指を離した。
「はぁー・・・」
「今回は、この辺でやめておくか?」
すでに疲労困憊のカイルに、ゲオルグが笑って言う。そんなふうに言われると、カイルの返事は決まってしまう。
「いいです、続けて下さい。男に二言はないですからー」
それにはゲオルグは笑うだけで何も返さず、自分のズボンに手を伸ばした。ズボンごと下着を脱げば、ゲオルグのすっかり立派になった陰茎がカイルの視界に現れる。
カイルが男の陰茎を見るのはこれがほとんど初めてで、すでにゲオルグが興奮しきっていることには気付かない。ただ、好奇心からじっと眺めて、つい言ってしまう。
「・・・いいなー、オレもそれが欲しかったなー・・・」
陰茎も含めたゲオルグの男らしい体つきが、羨ましくて堪らない。そんなカイルに、さすがに一瞬複雑そうな顔をしたゲオルグは、しかしすぐににやっと笑った。
「だから、これから好きなだけやるぞ?」
「もー、ゲオルグ殿はオヤジですねー」
呆れるように、可笑しそうに笑いながらも、カイルにはそれがゲオルグの気遣いだとわかった。
ゲオルグはカイルの脚を抱え上げ、位置につく。
「どうしても耐えられなかったら、言えよ?」
「・・・は、はいー」
さすがに緊張しつつ、カイルはこくこくと頷いた。ゲオルグはゆっくりと先端を押し付け、そしてぐっと挿入する。
「っ・・・!!!」
その瞬間奔った、体を二つに裂かれるような痛みに、カイルの体は自然と逃れようとした。それを押さえつけ、ゲオルグはさらに遠慮なく押し入れてくる。
だが、痛い、もっとゆっくり、とカイルが切れ切れに訴えると、ゲオルグも動きをとめた。
「一息に入れたほうが、逆にいいと聞いたが・・・」
「・・・・・・・・・」
カイルが処女だと知って、ゲオルグはわざわざリサーチしたのだろうか。カイルはこんなときだが、そう想像しておかしくなった。
そして、確かに言われてみると、じりじり入れられたところで痛いものは痛いだろうし、長く痛みに耐えるよりは少々激しい痛みだろうが短時間で終わるほうがましな気がする。
「・・・そ、そうかもしれないですー・・・」
カイルがなんとか頷くと、ゲオルグは頷き返してから、再び挿入を開始した。
それでもやっぱり痛くって、カイルはつい痛いと口走りながら、ゲオルグの体を押し返そうとする。びくともしないゲオルグの体が憎らしいが、おかげで遠慮なく抗うことが出来た。
そんなカイルの様子を見ていたゲオルグは、しばらくすると一度動きをとめる。
「・・・やめるか?」
ゲオルグは心配して言ってくれているのかもしれないが、ここまで来てやめるのは御免だ。カイルは首をプルプル振って返した。
するとゲオルグは、ぬけぬけと言う。
「まあ、もう全部入ったんだがな」
「・・・・・・はぁ?」
なんじゃそりゃ!と盛大につっこみたいところだったが、この状況ではちょっと動いただけで痛みが奔る。それがわかった上で言ってるんだとしたら、なんてタチが悪いんだと、カイルはゲオルグを睨んだ。
「・・・じゃあ聞かないで下さいよー」
「入れたところで、終わりじゃないからな」
「!」
ゲオルグがゆっくりと動き、それに合わせて裂けるような痛みに襲われる。
「い、痛・・・っ、ゲオルグ殿、へ、下手なんじゃないですかー・・・!?」
「減らない口だな」
堪らず声を上げると、ゲオルグが愉快そうに言って、カイルの口を塞いだ。
「っん、ん、・・・!」
息苦しいほどの口付けと相変わらずな痛みに、カイルはついゲオルグの背中に爪を立てる。
だがそれを気に留めた様子はなく、ゲオルグは動きをとめようともしない。さっきまで嫌味なほど気を遣ってくれてたのに、とカイルは不思議に思った。
だがよく見れば、ゲオルグは興奮を顔に表わしていて、もしかしたらそんな余裕がないのかもしれない。自分相手に、そんなふうに興奮してくれるなんて。それを見ているとカイルはなんだか堪らない気分になった。
ゲオルグの、汗が伝い落ちる頬に手を伸ばし、自分からもキスをする。痛みは変わらないが、カイルをそれ以上に満たしていたのは、ゲオルグへの愛情だった。
ゲオルグはカイルの胸を揉みしだきつつ、次第に遠慮なく腰を動かしていく。
「・・・カイル、いいか?」
「・・・えっ、あ?」
しばらくして吐息まじりにゲオルグが問い掛けてきたが、なんのことかわからずカイルは、つい頷いて返した。すると次の瞬間、ゲオルグが低く呻く。同時に、カイルは内に熱い奔流を感じた。
どうやら無事初体験は終わったようで、カイルは体を動かすのもだるくてベッドに仰向けに転んでいた。戦闘後とは違う慣れない疲労感に襲われながら、でもそれだけではないと、カイルは自覚せざるを得ない。
思わず大きな溜め息を吐くと、隣に座るゲオルグは、そんなカイルを見下ろし問い掛けてきた。
「・・・で、散々渋っていたが・・・実際やってみた感想は?」
「えー? あー、そりゃあ、もー痛かったです!」
カイルは、ここぞとばかりに訴えた。実際、予想していたより痛かったのだ。承知の上のことだったとはいえ、多少文句を垂れるくらい当然の権利だろう。
「ていうか未だに痛いし。明日非番でよかったですよー、もう・・・」
言いながらカイルは、もしかして、とゲオルグを見上げた。ゲオルグはカイルの疑問を読み取って、にやりと笑って返す。
「・・・・・・」
やはり、カイルが翌日仕事のない日を選んで襲いにきたらしい。用意周到さ加減にゲオルグの余裕が感じられて、若干癪なカイルは、話題を逸らすことにした。
「でも、よく言うじゃないですか。初めてなのに、感じちゃう・・・!って。あれ、やっぱり都合いい作り話なんですねー」
全然よくなかったんですけど、とカイルがぼやくと、ゲオルグはどこか呆れたような視線を向けてくる。
「そういう奴も実際にはいるだろうが・・・一体どこからの情報だ?」
「えー、ゲオルグ殿だって読んだことあるでしょー?」
男なら誰でも一度は読むだろう、男性向けエロ小説の話である。カイルは青少年として当然のようにそういった本に手を出してきたし、秘蔵の本の一冊や二冊この部屋にもある。
「そりゃあ、あるが・・・まあいい」
一層呆れたようにゲオルグは、しかしこのままではとても恋人同士とは思えない会話になりそうだと思ったのか、その辺については流しておくことにしたようだ。
そして、カイルの顔を覗き込み、にやりと笑って言う。
「実際お前は、前半は負けん位よく鳴いていたがな?」
「・・・・・・・・・そ、それは・・・!」
不意打ちを食らったカイルは、ついがばっと体を起こし、それから慌ててシーツを引き寄せた。赤くなっているだろう顔を隠す為にシーツにもぐりこみながら、カイルはその点についてはごまかすことにした。
「で、でも、ほんとに痛かったんですからねー。ゲオルグ殿のせいなんじゃないですかー?」
「人聞きの悪いことを言うな」
カイルの可愛げない照れ隠しを気にした様子なく、ゲオルグもシーツへ侵入してくる。うしろからぎゅっと抱きしめられれば、言葉ではやいやい言っていても振り解くなんて考えられず、カイルは素直に体を預けた。
「まぁ、長い目で見てあげますよー」
「・・・はいはい、次回からせいぜい頑張らせて頂きます」
笑いを噛み殺しながら、ゲオルグはカイルの髪を優しく梳く。それが気持ちよくて、カイルは目を閉じた。
終わってみれば、男とセックスするのなんて嫌だと思いはしないか、自分が何か変わってしまうんじゃないかとか、余計な心配はやっぱりただの杞憂でしかなかったのだ。
いや、変わったのは確かだった。前よりもずっと、ゲオルグのことが好きになったのだ。
そう、カイルが思い知ったのは、自分の性などではなく、ただ自分がゲオルグを好きだという思いだけだった。同時に、ゲオルグの愛情も直接感じることが出来た。そのことの前では、自分の性別なんてどうでもよく思えた。
ゲオルグと愛し合う為の行為、それの何を怖がっていたのだろう、現金にもカイルは深刻に悩んでいた自分が馬鹿らしくすら思えた。こんなふうに幸せで満たされた気分になれるのなら、もっとさっさとやってしまっていたらよかった、と。
身勝手な感想だと、カイルには自覚もあるのだが。
「・・・・・・あれ、ゲオルグ殿・・・?」
そこで不意に、カイルは気付いた。背後から自分を抱きしめるゲオルグの、呼吸がいつの間にか寝息に変わっている。
カイルはゲオルグを起こさないように、そっと体の向きを変えた。こんな無防備なゲオルグの寝顔が見れる、その自分だけの特権を嬉しく思う気持ちに、男も女もないだろう。
相変わらず、ゲオルグの男として恵まれた体つきを見ていると、羨ましくて堪らないが。それと同じくらい、この体に抱かれたことが、嬉しくて堪らなかった。
「ゲオルグ殿ー」
カイルはゲオルグの髪を撫でながら、小さく囁く。
「そのうちオレのほうが、優位に立ってみせますからねー」
いつまでも今回のようにゲオルグのなすがままなのは、カイルの矜持が許さない。カイルはゲオルグの鼻先にちゅっとキスをしてから、その体をぎゅっと抱きしめゆっくり眠りについた。
END
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すみません、エロは途中で「エロくないけどまあいっか!」と諦めまし た !
ところで、このシリーズ、当初と比べるとカイルの性格が違う気がするんですが・・・気のせいってことで・・・(逃)