Victory or defeat of love
ゲオルグは、どうやらカイルのことが好きなようだった。
フェリドに呼ばれてこの国に来てからそろそろ一ヶ月になる。自分が果たさなければならないかもしれない役目はまだ先のことらしく、ゲオルグはそれまではせいぜいこの国、女王騎士という身分を楽しもうと思った。
そして自然と、ゲオルグはカイルとよくつるむようになったのだ。
ガレオンは年が離れすぎているし、ミアキスはリムスレーア付きでほとんど顔を合わせない。ザハークとは同い年ではあるが、彼はとても気軽に会話を楽しめる相手ではないし、アレニアも同じだ。
だから消去法でカイルを選んだ、というわけでもしかしなかった。確かにカイルはゲオルグと年も近く、ノリもいいので軽口を叩き合えるが、それだけではない。
堅い者が多い女王騎士の中にあってその飄々とした性格は悪目立ちしがちだが、だらしなくみえて実は一本芯の通ったものを持っているカイルは、付き合ってみるとなかなか気持ちのいい奴だったのだ。
そしてカイルのほうも、他の女王騎士とはおそらくゲオルグと同じ理由でそう親しく出来ていなかったらしく、話のわかるゲオルグは恰好の話し相手になるようだ。
そんなわけで共に時間を過ごすうち、段々とゲオルグはカイルに惹かれていった。
何も考えていなさそうで、意外と人の感情に聡かったり、かと思えばよくわからないところで抜けていたり。その喋り方や笑顔から歳の割りに幼く見える一方、ひどく大人びた・・・冷めた目で世の中を見ていたりもする。
ころころと形を変えてゲオルグに晒されるカイルの様々な側面に、ゲオルグはいつのまにかすっかり魅了されていたのだ。
ゲオルグはそれを自覚して、しかし行動に移したりなどはしていなかった。
もし相手が女性なら、これまでに培われてきた経験から、落としてみせる自信は多分にある。
が、相手はカイルなのだ。男で、しかも大の女好き。
さすがのゲオルグも、そんなカイルを口説き落とす自信はなかった。
だが勿論、ゲオルグは悲観しているわけでも諦めているわけでもない。少しずつ、少しずつカイルの懐に入り込んでいく、今はそんな時期だとゲオルグは思っていた。
実際、カイルは一昨日よりは昨日、昨日よりは今日と、ゲオルグに寄せる信頼は順調に大きくなっていっている。
「首尾は上々だ」
ゲオルグは口の端を僅かに上げてニヤリと笑った。
詰め所のソファーに掛けて、特に仕事もないのでゲオルグは自分の考えに耽っているのだ。
そんなとき、駆ける足音が近付いてきたと思ったら、詰め所の扉がバンッと開く。
「あ、ゲオルグ殿発見!!」
そしてそのままの勢いで、カイルは真っ直ぐゲオルグのところまで来た。そして隣に腰を下ろす。
明らかにゲオルグを探していたのだとわかるカイルの態度に、ゲオルグの機嫌はグンッと上向いた。
が、ゲオルグは勿論そんな浮ついた心をカイルに悟られるようなことはしない。
「どうした? また話でもせがみにきたのか?」
余裕を醸し出しつつ、ゲオルグはいつものようにカイルを促してやった。またゲオルグの旅の話でも聞きにきたと思ったのだ。
カイルはゲオルグの、まさに流れる雲のような生き方に、大変興味を持ったらしく、しょっちゅうゲオルグに話して聞かせろとせがんでくるのだ。
勿論ゲオルグは、カイルが自分の生き方に興味を示してくれるのは嬉しい。
さらに、話を聞くカイルのキラキラ輝く瞳に、ゲオルグはついつい期待を持ってしまっていた。「よかったら一緒に旅するか?」全てが終わったあとにそう誘えば、カイルは頷いてくれる気がするのだ。
そんな未来図を脳裏に描きつつ表面上は涼しい顔を繕うゲオルグを、カイルは上体を屈めて膝に腕を乗せるといういつもの体勢をとりつつ見上げた。
「んー、それもいいんだけど、今日はオレのほうが話があるっていうかー」
「話?」
ゲオルグは何の気なく問い返す。
「言おうかどうかちょっと迷ったんですけどー、ま、言っちゃおうかって思って」
その軽い口調に、たわいない話なのだろうと勝手に判断したゲオルグは、当然身構えることなくカイルの言葉を待った。
そしてカイルは、まるで世間話をするかのような気軽さで告げる。
「オレ、ゲオルグ殿のこと、好きみたいなんですよー」
「・・・・・・・・・」
ゲオルグは、聞き間違いかと思った。
「・・・なんだと?」
「だからー、ゲオルグ殿のこと好きですよーって言ったんです」
カイルは相変わらずいつもと寸分違わぬ口調で言う。
動揺しかけたゲオルグは、しかし引っ掛かってたまるかと自分を制御した。
「なんだ、突然。俺をおだてて何を企んでるんだ?」
冗談か何か裏があるのか、どうせそんなところなのだろうとゲオルグは思う。
努めて冷静に返したゲオルグに、カイルは口を尖らせて不満を表した。
「ひどいなー、違いますってー。真面目な意味で、ですよー」
「・・・・・・とてもそうとは思えんが」
その仕草も口調も、可愛げはあるが、真剣みがあるとはとても言えない。
「えー、そうですかー?」
カイルは眉を寄せて少し考え込んだ。
「・・・じゃあ、もう一度言いますから、ちゃんと聞いてくださいね?」
カイルは曲げていた背筋を伸ばし、上半身をゲオルグに向けて、その瞳を真っ直ぐ捉える。
「オレは、ゲオルグ殿のことが、好きです」
ハッキリした口調で、カイルは言い切った。
「オレが冗談言ってるか、それとも本気か、ゲオルグ殿ならもうわかりますよね?」
「・・・・・・・・・」
確かに言う通りゲオルグは、八割がた軽口のカイルの一割の本気が大体わかるようになっていた。そして今のカイルは、間違いなく、真剣だ。
勿論、同僚や友人としての好き、ではないことも明らかだった。
「・・・お前が真面目に言っていることはわかった」
ゲオルグはゆっくりと頷く。そして、湧き上がってくる喜びを、しかしカイルに悟らせないように押さえ付けた。
カイルが自分を好いている、その事実はゲオルグにとっては全く思い掛けないことであり、まさに棚からボタモチだったのだ。
ちっとも気付かなかった自分が少し不甲斐なくあるし、先を越されてしまったという妙な悔しさもあった。
が、カイルから告げてきたということは、同時にチャンスでもあるということだとゲオルグは思う。
ゲオルグは自分の気持ちを悟らせていない自信があった。ならばカイルは今、ゲオルグに片思いしていると思っているはずである。
つまりこれからの対応によって、今後の二人の関係においてゲオルグが優位に立てるかどうかが決まるのだ。
「・・・あのー、ゲオルグ殿ー」
「・・・・・・・・・ん?」
思い切り自分の考えに浸っていたゲオルグは、カイルの声に我に返った。
「なんか反応欲しいんですけどー・・・」
カイルは心なしか不安そうな眼差しでゲオルグを見上げている。
両思いだとわかったのだから、そんなカイルを抱きしめてキスするのはわけないことだった。いやキスだけでなく、あわよくばこのままここで押し倒すことも可能ではないかと、ついついゲオルグの頭は考えてしまう。
が、ゲオルグはそんな欲望をどうにか押さえ付けた。
ここでホイホイとカイルの思いを受け入れてしまったら、ありがたみというものがなくなってしまうではないか、ゲオルグはそう思う。
「・・・そうだな」
ゲオルグはわざと表情を、考え込むように堅くした。
「すまんが、すぐに答えを返すことは出来ん」
「・・・・・・・・・」
カイルは目を見開いてゲオルグを見返す。大きく開いたその瞳からまさか涙でも出るのではないかと、ゲオルグは内心焦った。
もうちょっと望みが持てそうな言い回しにしてやろうかとゲオルグが口を開こうとした、それより一瞬早く。
「じゃあ、考えてくれるってことですか!?」
「・・・まあ・・・そうだな」
ゲオルグが頷くと、カイルは安堵と驚きが入り交じったような表情をする。
「オレ、どうせきっと、悪いが男に興味はない、ってズバッと断られると思ってましたー」
「・・・・・・・・・」
そう言われて、ゲオルグは突然同性から愛を告白されたにしては平然とした態度を取り過ぎたと気付く。
が、今さら訂正も出来ないので、どうにか繕った。
「真剣な思いに対して、考えもせず撥ね付けるのは失礼だろう。まあ、他の野郎ならいざしらず、だがな。お前は俺にとって、種類は一先ずおいといて、ぞんざいに扱えない大切な存在だってことは確かだからな」
「ゲオルグ殿・・・」
そんなゲオルグを見上げるカイルの瞳が、僅かに潤んで見えるのは、ゲオルグの気のせいだろうか。
「オレ、嬉しいです。ゲオルグ殿がちゃんと真面目に考えてくれて。しかも、全く脈なしってわけでもなさそうだし・・・」
カイルはとても嬉しそうに、目元口元をゆるませた。
「・・・・・・・・・」
カイルがそんなにも自分のことを好きだったとは。ゲオルグは自分に微笑み掛けるカイルを思い切り抱きしめたい衝動に襲われた。
手を伸ばせばその体を腕の中におさめることが出来るのに。自分の為にゆるやかな弧を描く唇に触れることだって出来るのに。
ゲオルグは一体何故自分がこんなにも我慢しているのだろうと、その理由を見失いかけた。
が、ゲオルグが誘惑に負けてしまうその前に、カイルが妙にサッパリとした声を向ける。
「じゃあ、考えといて下さいね。気長に待ってますから!」
「・・・・・・あ、あぁ」
「これでオレの話は終わりでーす。今度はゲオルグ殿の話を聞かせて下さいよー」
「・・・・・・」
さっきまでとは打って変わっていつものように旅の話をせがみだしたカイルに、ゲオルグはちょっと拍子抜けしてしまう。
が、そんな動揺をカイルに悟られるわけにはいかないので、ゲオルグは頭を切り替えた。
カイルにいろいろすることへの未練は勿論あるが、しかしゲオルグの気持ち一つでそれはいつでも叶うのだ。
それまでは、片思いしていると思い込んでいるカイルが一体どんなアプローチをしてくるのか、それを楽しませてもらおう。
ゲオルグは自分の優位を噛み締めながら、カイルに気付かれぬようひっそりと笑った。
だがしかし。
ゲオルグに愛の告白をしたわりに、カイルのゲオルグに対する言動がそれ以前と変わるなんてことは、何故かちっともなかった。
いつものように屈託なく話し掛け笑い掛ける。そこに、ゲオルグの気を引こうなどという素振りは全く見えなかった。
さらにカイルは、平気で今までのように、女の話題をゲオルグの前で口にするのだ。
どこどこの女がたいそう美人だとか、あのおねーさんに是非一度お相手してもらいたいだとか、取り留めなく。
素敵な女の人を見たら口説くのが男の義務だ、なんてことも言っていたカイルの女に目がないところを、ゲオルグは元々苦々しく思っていた。
それでもゲオルグは、特定の誰かに入れ込むよりはましだろうと自分を納得させていたのだ。
だが、カイルはゲオルグのことを好きだと言った。それなのに詰め所のソファーに好きな人と二人で掛けて、する話題がそれなのかと、ゲオルグはそんなカイルが憎らしくすらある。
「・・・おい、カイル」
「はい?」
まだ何やら女について語っているカイルの言葉をゲオルグはさえぎった。するとカイルは素直に口を閉ざしてゲオルグの言葉を待つ。
こういうところはかわいいのに、とか思いながらゲオルグは代わって口を開いた。
「お前、俺のことを好きだと言ったよな?」
真剣さを隠して問い掛けたゲオルグに、カイルは明快な答えを返す。
「はい、言いましたよー。オレはゲオルグ殿のことが好きでーす」
その口調は真剣さをちっとも感じさせないが、やはりそれが本心なのだろうとゲオルグにはわかった。
カイルの思いを再度確かめて一先ず安心しつつ、ゲオルグは単なる好奇心からだと装って質問を投げる。
「・・・もし俺が、付き合いのある女と全部関係を切れ、と言ったらどうするんだ?」
ゲオルグは何故自分がこんなカイルの気持ちを試し図るような情けないことをしているのだろうと思いながら、それでも気になるので答えを待った。
そしてカイルは、スッパリとした答えを返す。
「どうって言われてもー。そう言われるだけじゃ、イヤです、って答えますよー」
「・・・・・・・・・」
ゲオルグは内心、ひどく動揺した。こいつは俺のことが好きじゃなかったのかと、頭がグラグラする。
「・・・何故だ?」
それでも平静を必死に繕いながら問いを重ねたゲオルグに、カイルは少し口を尖らせてどこか訴えるように返した。
「だってー、ゲオルグ殿がオレの気持ちを受け入れてくれるって前提なら話は別ですけどー。そうじゃないのにそんなこと言われても、はいはいって言うこと聞けないですよー」
「・・・・・・・・・」
あれ?とゲオルグは思う。
「・・・俺の態度がどうであれ女とは遊ばんのが筋じゃないのか?」
「それはーそうかもしれないですけどー・・・」
カイルはモゴモゴとして、ハッキリとした答えを返さない。
カイルは確かにゲオルグに告白してきたはずだった。ならばもうちょっとゲオルグの顔色を窺うのが普通なのではないか。
自分のほうが優位に立っているはずなのに、ゲオルグはなんだかそんな気がしなかった。
が、いやそんなはずはないだろうと思い直し、ゲオルグはカイルの言葉を前向きに解釈する。つまり、気持ちを受け入れてくれと、そう遠回しにせがんでいるのだろうかと。
「・・・だとすれば、お前の気持ちを受け入れた上でそう言えば、ちゃんと全部の女と関係を切るのか?」
するとカイルは、ニッコリ笑って、ハッキリと答える。
「当たり前じゃないですかー。オレ、こう見えても結構一途なんですから!」
「・・・・・・」
やっぱりカイルは俺に夢中なんじゃないか。ゲオルグはそう思って、途端に気が大きくなる。
そして、ゲオルグは思った。そろそろカイルの思いに応えてやってもいいかもしれないと。そうしても、充分自分のほうが優位を保てるだろう、そのはずだと。
「・・・カイル、考えたんだがな」
「はい?」
何を言われるのか知らず首を傾げているカイルが、一体どんなふうに喜びを表現するのか、ゲオルグは楽しみで顔がにやけそうになりつつそれを抑えて切り出した。
「付き合うのも悪くはない、と思う」
「・・・・・・へ?」
さらに首を傾げるカイルに、ゲオルグは妙に偉そうな口調で言い直す。
「だから、お前の思いを受け入れてやってもいい」
「・・・・・・ホントですか?」
「俺は嘘は言わん」
「・・・・・・」
するとカイルはゲオルグの顔をじーっと見つめてきた。まるでゲオルグの心を読み取ろうとするかのように。
「・・・言っとくが、お前と全く同じ思を返せるかどうかはわからんからそこは・・・っ!?」
大喜びで跳び付いて付き合うわけじゃないんだとわからせようとしたゲオルグは、しかしその言葉を途切れさせる。
ガバッ、っとカイルが飛び付いてきたのだ。
ゲオルグは思わずソファーに倒れ込みそうになって、なんとかカイルの体を支え踏みとどまる。
「お、おい、カイルっ」
「あ、ゴメンなさーい。でも、つい」
カイルは体を少し離して、しかしゲオルグの肩に回した両手はそのまま、満面の笑みで答える。
「それって、オレと恋人になってくれるってことですよね? ね!?」
「あ、あぁ」
ゲオルグは多少カイルの勢いに圧された。が、表情だけでなく体全体で喜びを表されるのは、やはり嬉しい。
頷いて返したゲオルグに、カイルはまた抱き付いてきた。
「わーい、ちょー嬉しーい!!」
そしてカイルは、上体がうしろに傾ぐゲオルグを遠慮なくギューギューとその腕で締める。そして、頬擦り出来そうな距離でゲオルグを覗き込み、笑って伺いを立てた。
「だったらゲオルグ殿、ちゅーしていいですかー?」
「・・・・・・」
ちょっとおかしい、ゲオルグは思う。どうして自分のほうが、抱きしめられキスしていいかと許可を求められているのか。ゲオルグの予定では、自分がカイルを抱きしめ、そしてキスしてやるはずだったのだ。
「・・・待て、カイル。条件がある」
「はい?」
ゲオルグはまずは自分に回されたカイルの腕を外し、圧され気味の体を起こした。
二人の関係において、優位に立つのはカイルではなくゲオルグだ、そうカイルに知らしめねばならんとゲオルグは思う。
「お前じゃなく俺が、抱く側だ」
唐突なゲオルグの宣言に、カイルは少し目を丸くした。
「・・・オレがゲオルグ殿に犯られるほうになる、ってことですか?」
「まぁ、そういうことだ」
それが付き合う上で自分のほうが優位に立つ為の、重要かつ基本的な条件だ。ゲオルグはそう思う。
そして何より、ゲオルグはカイルを、抱きしめ押し倒し舐め回し喘がせ泣かせたいのだ。逆では断じてない。
カイルが嫌だといってもそこは譲れないと、なんとしても言いくるめようとゲオルグは気合を入れた。
が、カイルはそう迷う素振りも見せず、すぐに答えを寄越す。
「あ、はい、わっかりましたー」
「・・・・・・」
気は進まないけどでも好きだから仕方ない、とかそういうかんじの返しを期待していたゲオルグは拍子抜けした。
そしてちょっと困る。カイルにとって迷うほどのこともない瑣末なことなら、ゲオルグが優位に立つ材料にはならないではないかと。
「・・・躊躇いとかはないのか?」
「え、そりゃーないことはないですけどー、オレも男ですから。でも、ゲオルグ殿がそっちがいいって言うんなら・・・オレはどっちでも、嬉しいですから。ゲオルグ殿と出来るんだったら」
カイルは言い切って笑う。
つまり、躊躇わないのはゲオルグへの愛情ゆえ、そういうことなのだろう。それなら問題はないとゲオルグは心の中で頷いた。
「で、条件はそれだけですか? だったら、ちゅーして・・・下さい」
カイルはさっきと言い回しを変えてゲオルグに乞う。
その従順な態度に、ゲオルグの頬は自然とゆるみそうになった。
それをごまかすように、カイルを引き寄せてギュッと抱きしめれば、カイルは今度は下手でゲオルグの背に腕を回す。
そうそうこれだ、ゲオルグはしっくりくる体勢に、腕の力を益々強めた。
「ゲオルグ殿ー、ちゅーはしてくれないんですかー?」
「あぁ、そうだったな」
ねだるようなカイルの声色に、ゲオルグは機嫌をさらによくする。その為に距離を少し取ると、カイルは目を閉じ首を少し傾げた。
なんてかわいい奴なんだ、ゲオルグはそう思う。
ゲオルグは思わずゆるむ口で、ずっと欲していたカイルの唇を、その先を思い描きながらやっと手に入れた。
END
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さて、本当にゲオルグのほうが優位に立てているのでしょうか。
まぁ、どっちにしても、ゲオルグが相当ダメな男だということに変わりはないわけで…
でも、こういうどうしようもない攻、大好きです!!(笑)
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