LOVE GAZE



 ずっと父親のように友人のように見守ってきた。ときには叱りときには共に喜びいつもすぐ側で、見守ってきた。
 その甲斐あって、お前はなかなかの奴に成長したと思う。もちろんそれはルシアあってだし、欲目がないとも言いきれないが。
 そんなお前が、なんと炎の英雄になってしまった。びっくりしたが、それでもやっぱり、嬉しいよ。誇らしく思う。大層なものを背負い込んでしまって、それでもお前ならきっとやり遂げられる、そう信じてる。
 なあヒューゴ、これだけは忘れるなよ。
 どんな困難が待ってても、俺はお前のすぐ側にいる。俺は、お前の味方だ。ずっと、な。


「あ、軍曹ー!」
 噴水のある広場から中庭に入った軍曹に、明るく声を掛けてきたのはヒューゴだ。フーバーの毛をブラッシングをしていたのをとめて軍曹を手招く。
「今度アルマ・キナンまで行くんだけどさ、軍曹も一緒に行くよな?」
「そうだな・・・」
 ヒューゴは当然のように軍曹も来るのだろうと、尋ねるというよりは確認してくる。まるで一心同体のように育ったフーバーと同じように自分も頭数に入れてくることは、軍曹は正直言うとやはり嬉しい。
 だがそれがバレるのは決まり悪いので仕方なくを装った。
「付き合うか。お前、まだまだ危なっかしいからな」
「あ、そういうこと言うわけ?」
 軍曹がこれ見よがしに苦笑して見せると、ヒューゴはプーと頬を膨らませて不満をあらわにする。その表情は幼い頃と同じで、ヒューゴのこんなふうに変わらない部分は軍曹を安堵させた。成長して欲しいが、ヒューゴらしさは変わらず持ち続けていて欲しいのだ。
「で、他は誰を誘うんだ? アルマ・キナンまでなんだから、あと2・3人はいたほうがいいだろう」
「あ、うん、そうだよね」
 ヒューゴは軍曹の問いに曖昧に頷く。そしてほんの少し言いにくそうに口を開いた。
「それなんだけど・・・実は・・・もう誘ったんだ、ゲドさんを」
「ゲドを?」
 ヒューゴの様子からもしかしたら気になる女の子でも誘ったのかと思った軍曹は、予想外の名に思わず首を捻る。
「どうしたんだ? ずっと苦手にしてたじゃないか」
「うん、そうだったんだけど」
 頷いた通り、ヒューゴはゲドと距離をとっていて、軍曹は二人が話しているところをほとんど見たことがない。しかしそれも仕方ないかと軍曹は思っていた。ゲドはカラヤにはいないタイプの大人だし、近寄りがたく思うヒューゴの気持ちも軍曹はなんとなくわかっていた。
「・・・でもさ、この前オレが・・・ちょっとヘコんでたときにさ、偶然会ったゲドさんが、励ましてくれたんだよ」
 そういう状況になった自分を知らせるのを少し躊躇うように、それでもその出来事を語るヒューゴは嬉しそうだ。
「・・・そうか、よかったな」
「うん」
 笑顔で頷いたヒューゴに、軍曹はまた思わず親バカのような感想を抱いてしまう。苦手にしていた人とも話せば分かり合えると知ったヒューゴは、これでまた一つ成長しただろう、と。
 が、軍曹のそんな思いは、近付いてきた少年によって微妙に崩されてしまった。
「やあ、ヒューゴ! 頼まれていた調査依頼の結果を持ってきたよ!」
 騒動を巻き起こししばしば周囲の人に迷惑を掛ける、しかし意外に調査能力には定評のあるキッドだ。
「調査? 一体何を頼んだんだ?」
 そんなキッドにヒューゴが探偵依頼をしたのを今知った軍曹は不思議そうに問う。が、ヒューゴは依頼結果に気をとられているのか聞こえていないようだ。
「どうだった? 今度は何がわかった?」
「それでは教えよう。僕の探偵技術を駆使して調べ上げた、その・・・」
「いいから早く教えてよ」
 キッドの余計な前置きを阻止して、ヒューゴは先を促した。キッドは少し面白くなさそうに、しかし依頼人の意向はそれなりに聞くのか、ヒューゴが待ち望んだ報告を告げる。
「それでは教えよう。ええと、今の年齢は100歳をこえているようだね。炎の英雄と別れてから50年・・・その間、何をやっていたんだろう?」
「ひ、ひゃく・・・!?」
 明らかに半端な調査結果を聞いて、しかしヒューゴは前半しか耳に入らなかったらしくその内容に衝撃を受けたようだ。
「ほ、ほんとなのか!?」
「む、僕の探偵能力を疑うというのかい?」
「あ、そうじゃないけど・・・」
 首を振りながらヒューゴはどう受け止めていいかわからないといったふうに眉を寄せた。だが軍曹のほうこそ何がなんだかわからず眉をしかめる。
「・・・一体、誰の調査をしてもらったんだ?」
 百歳を超えている人には思い当たらないが炎の英雄という言葉から推測は出来て、しかしまさかと思って軍曹は一応聞いてみる。するとキッドは、「守秘義務」という言葉を知らないのかあっさりと答えた。
「ゲドだよ。全く、彼は謎だらけでね。調べるのに骨が折れたよ。本当ならもっと余分に調査費を貰いたいところだけど、そこは僕の探偵魂って言うの?それがね・・・」
 とかなんとか聞いていないことを語り始めたキッドは措いといて、軍曹は益々首を傾げたくなる。ゲドがそんなにも生きていたとはさすがに驚いたが、しかしそんなことを調査依頼していたヒューゴのほうにもっと驚いたのだ。
「・・・ヒューゴ、どうしてゲドのことを調べてもらっているんだ?」
 昔炎の運び手の一員だったとはいえ今はハルモニアの傭兵という身分にあるゲドに警戒して・・・という理由でヒューゴが調べてもらったわけはないだろう。
 ではどんな理由でなのか・・・最近まで疎遠だったことも合わせれば、さっぱり軍曹にはわからなかった。
 だが、どうやら本人にもハッキリ言える理由はないらしく、ヒューゴはもごもご答える。
「えっと・・・なんとなく・・・気になったから・・・?」
「・・・そうか、まあ、そうだな」
 更なる調査に掛かる費用は400ポッチ、と言われてヒューゴはポケットを漁り始める。
 しかし、真の紋章を宿すことになったヒューゴにとって同じく不老のゲドの生き方は確かに気になるのかもしれない、と軍曹はそう不思議に思うことでもないだろうかと思った。


 そして数日後、ヒューゴたちはアルマ・キナンに向けて出発した。順調に足を進め、現在はアムル平原を通過中だ。
「いい天気だな。晴れてよかったなあヒューゴ」
 軍曹は隣を歩くヒューゴに適当な話題を振ってみた。が、ヒューゴは耳に入らなかったのか応えず、主人の代わりにかフーバーがキュイっと鳴く。
「・・・・・・」
 軍曹は何度目かの溜め息をついた。
 さっきから、ヒューゴはずっとこの調子なのだ。ボーっとしたように前方を見つめている。その視線の先にいるのは、旅の共をすることになった三人だ。
 一人はヒューゴが誘ったゲド。その右側に立つのは、あのあと偶然通り掛って話の流れで付き合うことにしたジンバ。そしてそのまた隣に立つのは、カラヤの人ばかりだとゲドがやりにくいだろうとの配慮で選ばれた両者に親しいアイラだ。
 そしてヒューゴは、アイラが話題を提供しているのか楽しそうに会話する三つのうしろ姿を、何故か話に加わろうとするわけでもなくずっと見ている。
 どうしたんだヒューゴ、という言葉はもう何度も掛け無視され済みなので、軍曹はもう何も言わずただ歩くことにした。
 それから数分。アイラが話が尽きたのか軍曹たちのほうに駆け寄ってきた。
「随分と楽しそうだったじゃないか。どんな話をしてたんだ?」
 軍曹がそう尋ねてみると、まだ前方に視線を向けていたヒューゴが耳だけでアイラの次の言葉を待つのが気配として伝わってくる。それまでいくら話しかけても反応を返さなかったのに、と軍曹は少し複雑な気分になった。
 そんなそれぞれの様子には気付かずにアイラは答える。
「いろいろだよ。警備隊の話とかカラヤの話とか。っても、返事返してくれるのはジンバだけなんだけどな」
「へえ」
 まあ確かにそんな感じだろうなと軍曹は前を行く二人を見た。アイラがいなくなったからか今度はジンバが話し掛けているようで、やはりゲドは言葉を返しているように見えないが、それでも二人の間に気まずそうな雰囲気はない。
「意外だな。大人同士話が合うのか?」
 ゲドが本当に百を超えているのならジンバなど子供のようなのかもしれないと思いながら軍曹は首を傾げた。するとアイラが同じように首を傾げて言葉を返す。
「あれ、知らないのか?」
「え、何が?」
 聞き返したのは、軍曹ではなくヒューゴだった。前方を気にしながらも、アイラの話のほうがもっと気になるようだ。
「あの二人、元々知り合いみたいだぞ」
「えっ、そうなのか!?」
 アイラの情報にヒューゴは必要以上に反応する。軍曹はそんなヒューゴを訝しく思ったが、アイラは気にならないようで続けた。
「うん。そういえば、二人はいなかったっけ。あのとき・・・」
 アイラはゲドたちがカラヤを訪ねてきたときのことを、自分が負けそうになったところは省いて話す。
「・・・で、そもそもゲドはジンバに会いにきたみたいだったぞ。二人で何か話してたし」
「へえ、そうなんだ・・・」
 ヒューゴは小さく呟いて、再び前を歩く二人に目を遣った。そしてそのまま視線を固定する。
 その表情は、ヒューゴが子供の頃よく見せたものと似ている。それを表現するなら、
「・・・やきもち焼いてるのか?」
 拗ねている、のだろうかと軍曹は思う。ヒューゴが兄貴分として慕っているジンバを取られたような気分になったのだろうかと。
 が、ヒューゴはまた必要以上に反応した。
「ち、違うよ! 別にジンバが羨ましいとかっ・・・!」
 ヒューゴは思わずといったように言い返し、そして途中でパッと口を押さえる。
「・・・?」
 羨ましいのはゲドのほうだと思っていた軍曹はまた首を捻った。そしてヒューゴがゲドを探偵調査していたことを思い出して、そのときは消えた疑問がまたよみがえる。
「・・・ヒューゴ、お前」
 少し探ってみようとした軍曹だが、しかしそれより先にヒューゴが動いた。フーバーを呼んで、一緒に駆けていってしまう。
 何か聞かれてはまずいことでもあるのか、軍曹は不穏なものを感じながらそんなヒューゴのうしろ姿を見ていた。


 ヒューゴの奇行は、しかしながらまだ序の口だった。
 夜も更け、一行は野宿することになった。それぞれが自分の寝易いところを見付けて体を休め、薪の立てる音と寝息だけが暗闇に響く。
 そんな中、軍曹は目を開けた。そろそろ自分の見張り当番の時間なのだ。
 軍曹は首だけ回して現在の見張り当番のヒューゴの姿を探した。しかし、寝入る前にフーバーを背凭れにしていたヒューゴの姿はそこにはない。
 どこにいったのかと首を更に回した軍曹は、自分を挟んでフーバーと反対側にヒューゴを見付けた。そして、思わず凍りつく。
 ヒューゴは、しゃがみ込んで抱えた膝に顔を乗せ、じっと見ていた。いや、それは見入っていたと表現したほうがおそらくより適当だろう。
 そしてヒューゴが何に・・・いや、誰に見入っているかというと、そう、ゲドである。
 木に凭れて寝息を立てているゲドの顔をすぐ側からじっと覗き込んでいるのだ。
「・・・・・・・・・」
 そんなヒューゴに声を掛けることなど出来ず、かといって寝てしまうことも出来ない軍曹だった。
 次の日の朝。
 ヒューゴは、何事もなかったかのように至っていつも通りだった。
 だがあれが軍曹の気のせいだったわけでも夢だったわけでもない。
 おかげで寝不足な軍曹に、しかしヒューゴはその心中など知らず愚痴ってきた。
「軍曹、ひどいよ。なんで見張りの時間になっても起きてこなかったんだよ!」
 軍曹の分まで見張りさせられる羽目になったとヒューゴは口を尖らせる。が、そんな言い分に素直に謝る気にはとてもなれない軍曹だ。
「・・・だったら、遠慮せず起こしてくれればよかったのに」
「えっ」
 するとヒューゴは、何かうしろめたいのか、途端に言葉を濁しだす。
「う、うん、そう・・・だったね」
「・・・・・・」
 起こすことを忘れるほど夢中になっていたのか、それとも起こさず少しでも長く見ていたかったのか、どっちにしても大差はないだろう。
「はぁ・・・」
 軍曹は覚えず溜め息をついていた。


 如何ともし難い軍曹の予感は、消えるどころか益々強まる。
 クプトの森で一行はカニパンチの大群に出くわした。
 それぞれが己の武器を手に取り、身近なカニパンチから攻撃していく。軍曹もジンバと二人掛りでまず一匹倒した。
 そして軍曹は何気なく仲間の戦いぶりを窺い、そしてまた思わず凍り付く。
 いつものようにフーバーに乗ったヒューゴは、刀を手に取り、しかしどう見ても戦ってはいなかった。頑張って戦うフーバーの背で、ヒューゴは手を動かすこともなくただある一点を見つめている。
 その視線の先にいるのは、・・・やっぱり予想通りゲドだった。
 短い呪文の詠唱で雷魔法を発動させカニパンチ数匹を一気に仕留めるゲドの姿を、ぼんやりとしかし凝視しているのだ。
「・・・・・・・・・」
 そんなヒューゴにどう対処しようかと思った軍曹は、しかし取り敢えずこの場はカニパンチを倒すことに集中しようと思った。フーバー頑張れよ、と主人の分まで働く健気なグリフィンを心の中で労いつつ・・・。
 それからしばらく、みな(正確には一人を除く)の頑張りでどうにかカニパンチの大群を退けることに成功した。
 そしてまた歩き出した一行だが、しかしまだ余韻に浸りきっている者が一名。ボケーっとした表情でフーバーに揺られながら、ときおりうっとりしたかんじで溜め息をついている。
「は〜・・・」
「・・・・・・」
 そんなヒューゴに、軍曹は近寄りたくないものの、しかし教育係として放置するわけにはいかず話し掛けた。
「・・・さっき、ずっとゲドのこと見てたよな?」
「んー」
 ヒューゴはぼんやりしながらも一応聞こえたらしく素直に認める。
「・・・同じ真の紋章持ち同士、戦い方に見習う部分があるか?」
 軍曹は、ゲドに向けるものが戦士としての尊敬かもしれないと、もう半分以上はそんなわけないだろうと思いながらも尋ねてみた。
 それに対してヒューゴは、変わらずボヤーっとしたままで呟く。
「うん・・・ほんとに・・・かっこいいよね・・・」
 軍曹の言葉を聞いていたのかどうかもあやしい返事だ。返事というよりはもう、独り言なのかもしれない。
 そんなヒューゴに、軍曹の反対側からジンバが近寄ってきた。
「ヒューゴ、さっきサボってただろう。バレないと思ったか?」
「っえ、あ、ジンバ」
 頭を遠慮なく撫で回されて、さすがにヒューゴもちゃんと現実に戻ってきたようだ。
「てことはフーバー一人で戦ってたのか。あ、なんかフーバー疲れてるみたいだな」
「キュイー」
 アイラが顔を覗き込んで言うと、フーバーは肯定するように鳴く。
「あれ、そうだった? ・・・そういえば確かに気付いたらカニパンチいなくなってたけど・・・」
 フーバーから降りながら、ヒューゴは不思議そうに首を傾げる。どうやら無意識の行動だったようだ・・・とわかったところでどうにもならず、むしろ自覚がないぶんたちが悪い気もする軍曹だ。
「・・・そうだ、ジンバ」
 フーバーを撫でてごめんと謝ったヒューゴは、ふと思い出したようにジンバを見上げた。
「あのさ、ゲドさんとどういう知り合いなんだ?」
 ヒューゴらしくなく何気なさを装っての問い掛けに、しかしずっと観察していたわけではないジンバは気付かなかったようだ。
「ん? なんだ、気になるのか?」
「え、う、ん・・・」
 ハッキリ肯定しにくいのか曖昧に返すヒューゴを、やはりジンバはその理由には気付かずに笑う。
「どうせ、適当な話題振って話を変えようと思ったんだろ? 軍曹、ちゃんと叱っとけよ」
「はは」
 ヒューゴの頭をポンポン叩きながらジンバに振られ、軍曹は乾いた笑いを浮かべるしかなかった。
 一方ヒューゴは、更に追求することは出来ず複雑そうな顔をしていた、が。隣の軍曹を見て、フーバーを構うアイラとジンバを見て、それから小さく呟く。
「・・・あ、ゲドさん今一人だ」
 後方を少し離れて歩くゲドをヒューゴは話し掛けたそうにしかし踏ん切りがつかないのかチラチラと窺った。
 そんなヒューゴに、軍曹はもう声を掛けたり推測する必要もないと思う。本人は気付いていないようだが、ヒューゴのゲドに向ける感情は明らかだった。
 少しの逡巡のあと、ヒューゴは意を決したようにゲドに駆け寄っていく。
 その姿を少しの間見送って、軍曹はまた前を向いて歩きだした。
「まったく、お前ってやつは・・・」
 炎の英雄なんて大層なものになったと思ったら今度は、と軍曹はつい苦笑する。
 そして、さてどうしたもんか、と考えた。
 本人に自覚がないうちに、軌道修正してやるべきなのだろうか。
 軍曹はもう一度うしろを振り返った。ゲドに話し掛けているヒューゴは、予想通りの表情をしている。
「・・・・・・まったく」
 仕方のないやつだ、と軍曹はこぼしてつい笑んだ。それは、ヒューゴのことなのか、それとも自分のことなのか。
 ほんの少し、ヒューゴがそんな感情を覚えるようになったことを父親の心境で寂しく思う気持ちもあるが、それでも。
 ヒューゴの、その思いが本物なら。幸いであっても・・・幸いでなくとも、その思いを貫くと強く望むなら。
「・・・言ったことないが、俺は、お前の笑顔には弱いんだよ」
 軍曹は苦笑しながら、これからも言葉にして伝えることはないだろうヒューゴへの思いを、今度は心の中で呟いた。
 俺は、お前の味方だ。だから、お前はお前が正しいと思う道を迷わず行けばいい。なんだったら、背だって押してやる、と。
「ま、相手が相手だから、大変だろうがなぁ」
 気持ちが届かなくて泣くことになるかもしれない、むしろその可能性のほうが高いだろう。
 それでも負けずに頑張って欲しいし、きっとそのこともヒューゴの力になる。
 どっちにしても軍曹は、見守っていくつもりだった。駄目になろうが上手くいこうが、まだ手の届く距離で。
 そして、ヒューゴなら上手くいくのではないか、ついついそう思ってしまう軍曹の親バカっぷりも、当分直りそうになかった。




END

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それでいいのか軍曹・・・。
渋くてかっこいいダック様が、ただの親バカになってしまいました。
当分どころがもうずっと直らない気が・・・
周りの人々がどんどんヒューゴに甘くなっていきますよ(笑)