67.夢見心地





2003年9月9日(火)PM8時少し前。



プルルル、プルルル、ガチャッ



「あっ、もしもし、センセーっ」



「楽太か?」



「そうっ。あのねっ、オレの質問に答えてっ」



「突然なんだ?」



「いいからっ。答えてっ。あのね、えーっと、オレのこと思い浮かべて」



「・・・・・・」



「ちゃんと浮かべてるっ?」



「・・・浮かべてるよ」



「じゃあね、オレのこと色で例えたら何色? 赤、青、黄色のどれかで」



「・・・青」



「ええっ!? センセイ、ちゃんとオレのイメージで選んでよっ」



「だから、青」



「・・・ううっ。センセイひどいやっ」



「言われた通りに答えただけだろ」



「だって、センセイ、オレのこと嫌いなんだーっ」



「・・・お前は馬鹿か」



「うわっ、ひどいーっ」



「お前だって、何も知らないでオレのイメージって聞かれたら、青って答えるだろう」



「うっ、そうかも。・・・って、もしかして、センセイ知ってんのっ?」



「さっきやってたやつだろ?」



「知ってるなら赤って答えてくれればいーじゃんかっ」



「こんなのに頼ろうとするからだ。お前は、こんな心理テストを、俺の言葉より信用するのか?」



「そ、そんなことないよーっ。センセイの言ったことのほうが大事っ!」



「だったら、下らない質問してくるな」



「・・・はーい」



「だいたい、あれは片想いしてる相手に使うもんだろ?」



「っ! そうだよねっ、ラブラブのオレたちには必要ないよねーっ」



「まあ、そういうこと」



「エヘヘっ、センセイ、好きだよっ」



「俺も、好きだよ」



「んーっ、やっぱりそう直接言ってもらうほうが嬉しいやーっ」



「満足したか? じゃあもう切るぞ?」



「ええっ、せっかくだからもうちょっと話そうよーっ」



「トイレ行きたいんだ。また明日な」



「センセ、待ってよーっ」



ガチャン、ツーツー・・・



「ああっ、切れちゃったー。ううっ、トイレに負けた・・・。



でも、好きって言ってくれたしねっ。“一日一好き”ってかんじー? エヘヘーっ」



「楽太ー、りんご食べるー?」



「食べるーっ」



机の上には、真っ赤な林檎。



「うーん、赤っていうより、オレたちはピンクだよねーっ。ラブラブっ」



言葉の通り、幸せそうな笑顔を浮かべる楽太の頬は、ピンク色をしていた――。







 END

「伊○家の食卓」を見てたとき思い付いたネタ。

ちなみに、「赤→好き、青→嫌い、黄→興味なし」です。

しかし会話小説って、どうやって終わればいいかわかんねー。

タイトルはほぼこじつけでした・・・。

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