4.5:棚からぼた餅
四方を海に囲まれた島国。他国に攻められることもなく気候も穏やかなこの国は、おかげでとても呑気な国だった。
その呑気さを、ゲオルグはもうすぐ嫌というほど実感することになる。
それはともかく、少し前にカイルへの思いを自覚したゲオルグは、しかしそれまでと全く変わらない生活をしていた。このまま何も、変わらないと思っていた。
「・・・ケッコン、とはなんだ?」
カイルの勉強中、いつものように兵士の訓練に参加していたゲオルグは、休憩時間に隣に座ったハイジに聞いた。ハイジはゲオルグよりも少し若いが、わからないことがあったら質問する程度には仲良くなった数少ない人のうちの一人である。ちなみに、ロイとは双子の兄弟だったりもする。
「結婚、かぁ。そうだね、えぇと、愛し合う男女が夫婦になること、かな」
「・・・フウフ?」
「えぇっと、一緒に暮らして、それで・・・」
ロイと同じく長い、しかしキレイな銀色の髪をしたハイジは、穏やかそうな外見そのまま気が優しく、ゲオルグに丁寧に説明してくれる。
「・・・でも、突然どうしたの? そういうのに、興味ないんだとばかり思ってたけど」
どうにか解説し終えて、ハイジは全く恋愛だとか結婚だとかに興味がなさそうに見えるゲオルグの口からそんな言葉が出てきたことを不思議がる。
「カイルが、知っているか、と言っていた」
「カイル様が?」
ゲオルグは午前中のカイルと、ついでにフェリドとの会話まで話した。
ゲオルグはその会話の内容も、それからカイルがしてないと訴えていたのも、なんのことだかよくわからなかったのだが、ハイジはわかるらしく頷きながら聞いている。
「そうか、カイル様ももうそんなお年頃か」
聞き終わるとハイジはどこか感慨深げに、そしてどこか気の毒そうに呟いた。そして、さっぱりわかっていないゲオルグに視線を戻す。
「つまり、カイル様ももう18歳になったから、そういう勉強もしないといけないってことなんだよ。閨房って言ってもわからないか、つまり・・・夜の営みっていうか、そういう・・・」
ロイと違ってそういう方面がそう得意ではないハイジは、それでも言葉を探して教えた。おかげでゲオルグも、やっと理解する。
「・・・あぁ」
「それで結婚とかに興味が出たのかなぁ。まぁ、前半の辺は聞かなかったことにしてあげたほうがいいかな。男の名誉に関わるし・・・」
そう言いながらもちょっと顔が笑ってしまっているハイジである。
一方ゲオルグは、そのカイルが失敗した云々よりも、その話の前提ほうがずっと衝撃的だった。
カイルが、女性とそういう行為に及ぼうとしている。カイルの言い分ではまだ何もしていないらしいが、それでもそうなる日はそう遠くないだろう。
ゲオルグは、王子という身分からも、いつかカイルが誰かとそうなるだろうと予想していたし、覚悟もしていた。そうなっても、ただ側にいられればいいと思っていたし、今も思っている。
だが一方で、そうなるのがまだまだ先のことだと思っていた自分に、ゲオルグは気付かされた。そうだと、思いたかったのだろう。
「あ、そろそろ再開しない?」
「・・・あぁ、そうだな」
剣を持って立ち上がるハイジに、続いて腰を上げながら、ゲオルグはどうしても動揺してしまう自分をどうにか抑えた。
夜更けにノックされたドアを開けた先にいたのは、この国の王妃アルシュタートだった。
今まで一度も登場しなかったが、実はちゃんといたのである。食事や会議など公の場にほとんど姿を見せないのは、二歳ほどになる子供をつきっきりで世話しているからだと、ゲオルグはカイルから聞いたことがあった。
「カイルはいないの?」
「・・・はい」
カイルが今何をしているか予想が付いたが、母親に言うのもはばかられたし、自身があまり口にしたくもなかったので、ゲオルグは頷くだけにしておいた。
「そう、まぁいいでしょう。用があるのはゲオルグさんですから」
そう言うとアルシュタートは、持っていた本をゲオルグに差し出す。
「絵本なのですが、簡単だから言葉を覚えるにはちょうどいいかと。今さらかもしれませんが」
その為に王妃自らが足を運ぶなんて、ゲオルグの生まれた国では考えられないことだが、しかしこの国では変わったことではないのだ。
そんなかなり制約のない国でも、王子が跡継ぎを残すことは確実に義務付けられているのだろうと、ゲオルグはついカイルのことを思い浮かべながら考えてしまう。
「・・・ありがとうございます」
「礼などよいのです。こちらこそ、カイルのお世話をしてもらっているのですから。大変でしょう?」
アルシュタートはカイルを幼児扱いして笑うと、本当の幼児のことが気になったのか帰っていった。
カイルは、確かに見たかんじも中身も、子供っぽい。しかしこれから立派な男に成長するのだろうと思う。そしてそのきっかけが、もしかしたら今夜なのかもしれない、ともゲオルグは思った。
カイルの成長は勿論楽しみだが、どこか素直に喜べないのではないかとゲオルグは想像する。
カイルが今しているだろうことを思えば、ゲオルグはやはり面白くないのだ。カイルが誰かの為に成長し、一人前の男になっていくのを、正視出来るか自信がなかった。
しかし、それでも。
「あ、まだ起きてるんですねー」
手にした絵本を読むわけでもなく自分の考えにとらわれていたゲオルグは、部屋に入ってきたカイルに、慌てて意識を文字に移した。
「なんかわからないところありましたー?」
カイルはゲオルグの隣に寝そべると、なんだか楽しそうに聞いてくる。それに、ゲオルグはページをめくってわからない単語を見付けると指差した。
「えっと、これはー・・・」
その単語をニコニコしながらどうにか説明するカイルは、今までと全く変わった様子はない。
沈んだ様子はないから今回は上手くいったのかもしれないが、それでもその変化のなさにゲオルグはなんだか安心した。やはりこのままのカイルでいて欲しいという思いが、どうしてもあるのだ。
ただ側にいられれば、そう思っていたはずのゲオルグは、しかしいつの間にかそれ以上のことを望んでいる自分に気付く。
「・・・あ、あの、ゲオルグ。・・・ゲオルグは」
そうしているうち、不意にカイルが口を開いたので、ゲオルグは自分の考えを中断した。
「け、結婚って・・・、・・・あ、えっと、結婚って、知らないんでしたっけ・・・?」
「・・・聞いた」
何やらさっきまでの楽しそうな様子とは違っておどおどしたようなカイルに、不思議に思いながらゲオルグは答える。
「そっ、そうですかー。あの、その結婚を・・・、け、結婚を、ゲオルグはするつもり、あるんですかー・・・?」
「・・・・・・」
その様子は、前に結婚について口にしたときと似ている。
どうして結婚にこだわっているのか、どうしてそんなにどこか不安そうなのか、そしてどうしてそんなことを自分に聞くのか。わからなくてゲオルグはつい、返事を忘れてカイルを見下ろした。
「・・・え、えっと、答えたくないんだったら・・・」
するとカイルが見上げてきて、その沈黙をどう取ったのか遠慮気味にそう言ってくるから、ゲオルグは答えは決まりきっているので口を開く。
「しない」
「え、そ、そうなんですかー!?」
何故だかカイルは大声で聞き返してきて、ゲオルグが頷くと「へえ、そうなんですかー・・・」と言って黙ってしまった。
やっぱり、カイルの様子はどこかおかしい。何かがあったのか、しかしカイルが話さなければゲオルグにはわざわざ聞き出すなんてことも出来なくて、知ることが出来ない。
たぶん、これからもこんなことは何度もあるのだろうとゲオルグは思った。悩んで躓いて、そのたびに自分の力で、もしくは他の誰かの力で、立ち上がるのだろう。
相談にくらいは乗りたいと、悩みを聞くくらいはしたいと思うが、しかしそれでもカイルにとって自分の力が必要なことは少ないかもしれない。
だが、それでも。
「・・・俺はずっと、誰とも、しない」
それでもゲオルグは、カイルのことが好きだった。自分がカイルの一番でなくても、何かあるたび胸が痛んでも、それでも側にいたいのだ。
ゲオルグは決意するように言った。その理由が自分にあるなんて、目の前の青年は思ってもいないだろうけれど。
泣いていかないでと引き止めてくれた、あのとき見せてくれた自分に対する執着が、これからどんどん薄れていったとしても。それでもあのとき自分に芽生えたカイルへの思いは、もう決して薄れはしないだろう。
言って困らせるようなことはしないから、ただ少しでも側にいさせて欲しい。
いくら自分の望みが大きくなっていっても、その思いだけは変わらないだろう、ゲオルグはそう思った。
次の日、カイルの様子は引き続きどこかおかしかった。落ち込んでいるというよりは悩んでいるといったかんじだ。
しかしどうしたことか、夕食のときになると、もうすっかりといつもの明るいカイルに戻っていたのだ。
ゲオルグには何があったのか全くわからなかったが、何がそうしたのかわからなかったが、それでもカイルが笑顔でいられるならそれでいいと思った。
そしてその夜、そのカイルがめずらしく緊張したような顔つきでゲオルグの部屋に入ってきた。
「・・・あのー」
カイルはベッドに登ると、ゲオルグにじりじりと近寄ってくる。ゲオルグはカイルが一体何をしようとしているのか、わからなくて取り敢えず見ていた。
「あ、あの、ちょっと動かないでくれますかー?」
「? ・・・ああ」
ゲオルグの肩に手を置いて言ったカイルの顔はだいぶ真剣だったので、ゲオルグはやっぱり何をするつもりなのかわからなかったが了承した。
するとカイルは、ゲオルグに顔を近付けていき、そして少し勢いよく、唇を合わせてきたのだ。
しばらくそうしてから、一度離し、また口付けてくる。カイルのそんな行動に、ゲオルグはただビックリしてされるに任せていた。
カイルの考えは単純に思えるが、ときどき突拍子もないことをしたり言ったりする。今のこの行動も、何がどうなっての行動なのかゲオルグにはちっともわからなかった。
だが、カイルの考えがわからなくても、カイルが今自分にキスをしていることは、確かな事実だった。
好きだと思う相手に、キスされているのだ。ゲオルグの本能が、その腕でカイルの体を引き寄せさせる。
きつく抱いて、軽く触れてくるばっかりのカイルの唇を、強く深く奪った。
「・・・っん!?」
カイルが驚きながら、それでもゲオルグに回した腕を解かない。それをいいことに、ゲオルグは益々強くその体を拘束しながら、衝動に任せてカイルの口を貪った。
理性では、とまるべきだと、わかっている。それでもゲオルグは、とまれなかった。
いっそカイルが抵抗してくれれば、無理やりに自分を抑え込むことが出来ただろう。それなのに、うしろへ押し倒そうとしても、カイルは嫌がるどころか、逆らわず身を委ねてくる。
「・・・ん、ゲオ・・・ルグ」
そして強く抱きしめられ、名を呼ばれれば、もうゲオルグを押しとどめるものは何もなかった。
「・・・カイル」
同じくらい強く、ゲオルグはカイルを抱き返す。
カイルはきっと、自分が何をされるかわかっていないのだろう。友人同士のスキンシップの一種なのだろうとか、カイルのことだからそんなふうに思っているのかもしれない。
理解していないカイルに、なんて卑劣なことをしているのだろう。そんな思いも、もうゲオルグには浮かばなかった。
ただ側にいられれば、そんな小さな望みを飲み込む大きな欲求に、ゲオルグは逆らえず従った。
「オレ、ゲオルグと結婚しますー!」
そのセリフが耳に入ってきたとき、ゲオルグはまず聞き間違いかと思い、それから単語の覚え間違いかと思った。しかし、周囲の人たちも同じような反応をしているから、どうやら本当にそう言ったのだろう。
突然自分の手を引いて、話があるとフェリドの前に出ていったときも戸惑ったが、それ以上の戸惑いがゲオルグを包む。
ゲオルグは困惑して隣に立つカイルを見た。しかしカイルはそんなゲオルグの視線も気にせず笑顔で続ける。
「だって、ちゃんと責任取らないと、男らしくー!」
取らなければならないのはどちらかというとこっちだろう、と思わずつっこみたくなりながら、ゲオルグは同時に納得がいった。どうしてカイルが結婚するだなんて言い出したのかに。
それは自分で言った通り、責任を感じたからなのだろう。取るほうか取ってもらうほうか、なんてことはきっとカイルは深く考えていないのだ。ただ単純に、性交渉を持ったから結婚と結び付けてしまったのだろう、ゲオルグはそう予想した。
「ええと、つまり、おまえはゲオルグのことが好きなのか? ・・・そういう意味で」
だがカイルは、ゲオルグの予想に反して、フェリドの質問に対してはっきりと答える。
「はい、好きですー!」
好き、だと。ゲオルグはその真っ直ぐな言葉に、もしかして本当にそうなのだろうかと思いそうになった。
しかしゲオルグは、すぐにそうではないだろうと打ち消す。そう言ったのは責任感からか、勘違いしているからか、そのどちらかに違いない。
「それで、ゲオルグも、カイルのことが好きなのか?」
フェリドが今度はゲオルグに聞いてくる。
「・・・俺は」
好きではない。ゲオルグはそう答えようと思った。
それがカイルの為であり、カイルを王子として持つこの国の為だろう。思いを自覚したときに、そう決めていたのだ。
しかし、口を開こうとしたゲオルグは、気付く。
繋がれたままのカイル手に、不意に力がこもった。ぎゅっと握られ、ゲオルグは思わずカイルに目を向ける。
自分に真っ直ぐ向けられている、カイルのその顔にあるのは、不安だった。
その表情に、帰らないでと泣いて引き止めたカイルの姿が重なる。あのときカイルは、形振り構わず周りの目も気にせず、自らの感情に従って自分にしがみ付いてきた。
そして、そのときだけではないとゲオルグは思い出す。
いつだってカイルは、自分に素直なのだ。嬉しいときは笑って、悲しいときは泣いて。いつだって躊躇わず自分を晒す。
そんなカイルが、好きだと言った。結婚しようと、そういう意味で、好きなのだと。
ゲオルグは自然と、カイルの手を握り返していた。
「・・・俺も、好きです」
そして、言うつもりのなかった言葉が、口から出る。
「ほ、ほんとですかー?」
引っ張られた手のほうを見ると、やっぱりまだ不安そうな顔をしているカイルが見えて、ゲオルグはもう一つ思い出した。
笑顔が、好きなのだ。カイルが笑ってくれるなら、他のことはもうどうでもいいのだ。
ゲオルグは自分の思いに苦笑しながら口を開いた。
「あぁ、好きだ」
すると、カイルの顔に、パッと笑顔が浮かぶ。
「よかったー! ゲオルグ、オレも好きです、大好きですー!!」
言って抱き付いてきたカイルは、本当に嬉しそうだ。
好きだと、本当にそう思ってくれているのだ、ゲオルグはやっと実感した。
「・・・あー、その、なんだ、二人は愛し合っている、と・・・」
しかしゲオルグは、フェリドの咳払い付きの言葉に、はっと我に返る。
この国の王子であるカイルと、自分がそういう関係になるなど、たとえ本人同士の思いがどうであれ認められるわけがない。ゲオルグはそう思った。
しかしゲオルグは、甘く見ていたのだ。この国の、呑気さを。
「そうそう、そうなんですー。だから、結婚してもいいですよねー?」
「・・・まぁ、おまえたちがそうしたいなら、そうすればいい」
笑顔で言ったカイルと、それに対するフェリドの返答は、ゲオルグを心底驚かせた。
まぁ考えなしのカイルはいいとして、フェリドが王としてそして父親として、どうして許可出来るのか、ゲオルグには不思議で堪らなかった。
しかも、困惑するゲオルグをよそに、周囲の人たちまで二人に祝福の言葉を掛け始めるのだ。
呑気な国、おそるべし。
ゲオルグはいろいろと考えたり悩んでたりしていた自分が、少しばかり虚しくなった。
「そうと決まったら、ゲオルグ、どこか遊びに行きましょー! こんな日くらいは勉強しなくてもいいですよねー?」
ゲオルグがそんな思いにとらわれている間にも、前半はゲオルグに後半はフェリドに向かって言って、カイルはさっさとゲオルグの手を引いて歩き出す。
フェリドはそんなカイルをとめようとはせず、その軽い溜め息に見送られて、二人は広間を出た。
「ね、どこ行きますー?」
カイルは楽しそうにゲオルグを見上げてきて、その笑顔に、ゲオルグはなんだかもういいかと思いそうになる。
しかし、一応一番気になっていることだけは聞いておこうと口を開いた。
「・・・王子なのに、いいのか?」
「何がですかー?」
キョトンとした顔になるカイルに、すっかり忘れているだけだったらどうしようかと思いながら、ゲオルグは続けた。
「子を・・・作らなくても」
結婚、というのはこの国では男同士でも出来るのかゲオルグはわからないので措いておくとしても、カイルが子を残すために女性とそういう行為に及ぶのは仕方ないので、その辺をどうする予定なのか聞いておこうと思ったのだ。勿論、出来ればそうしなくていいに越したことはないのだが。
そんな思いでした質問に、ゲオルグの言葉が足りなかったのか、それともカイルの頭が足りなかったのか、しばらく考えてからやっとカイルは口を開いた。
「兄さんの子供がいるから平気ですよー」
「・・・・・・兄さん?」
その返答に、寝耳に水だったゲオルグはビックリして問い返す。
「はい。ほら、母さんが世話してるところ見たことないですかー? 兄さんと義姉さんは2年前くらいに流行った病気で死んじゃったんですよー。それで、代わりに母さんが育ててるんですー」
「・・・・・・」
「だから、その子が王様になるんですー。オレはたぶん、王様にもならなくていいんですよー」
「・・・・・・・・・」
だったらカイルこそただの穀潰しになるんじゃあ、なんてことをあまりにも予想していなかった事実に呆然としたゲオルグは、失礼にも一瞬考える。
だが取り敢えず気を取り直して、ゲオルグはそれならよかったと、安心しておくことにした。
そして、この国では深く考えたほうが負けなのだと、ゲオルグはようやく悟った。
「・・・ゲオルグ、もしかしてそのこと気にしてたんですかー?」
「・・・・・・あぁ、まあ」
明らかに昨夜の行為が原因ではない疲労感に襲われて、ゲオルグは少し遠い目をして答えた。
そんなゲオルグの様子を、どう解釈したのか、カイルはゲオルグの両腕をガバッと掴むと真面目な顔をして言う。
「ゲオルグ、ごめんなさいー。でもこれからは、ゲオルグが不安に思うようなこと、絶対にしないですー!」
言って、そして自信の表れなのか、カイルはにこっと笑った。
そして、カイルにそんな顔されたら、ゲオルグの中で一瞬にして疲労感よりも嬉しさのほうが大きくなってしまう。
カイルに笑い返しながら、ゲオルグはちょっぴり思った。
もしかしたらカイルよりもこの国よりも、自分のほうがよっぽど呑気なのかもしれない、と。
END
------------------------------------------------------------------------------
センチメンタルゲオルグ、パート2(笑)
ようやくゲオルグも、悩むだけ損だと気付いたようですよ!
これからこの二人は、結婚して派手に結婚式して、アホみたいにラブラブな一生を送るに違いないです。(完)
てなかんじ。