ヒューゴ語録


*第1章*
 :態度悪いゼクセン役人:
 :夜逃げ
 :あの男さえ話し掛けなければ
 :抜け道使って逃避行
 :焼け落ちる村、怒りと悔しさと悲しみと



◇ギルドホール◇


ルル
 「なぁ、まだカラヤにはもどれないのかなぁ?
  ここの食事もまぁまぁだけど、
  なんか薄味なんだよね。」
軍曹
 「そうだな、そろそろ評議会の方へ行ってみるか。
  ルルのやつが、ママが恋しいらしいからな。」
ルル
 「軍曹!!」
ヒューゴ
 「そうだな。行ってみよう。
  フーバーの奴もそろそろ退屈してるだろうしな。」


ルル
 「しかし、でかい建物だよなぁ。」
軍曹
 「ふん。
  リザードクランの大空洞の方がでかいさ。」
警士
 「たしか、グラスランドの使者の方でしたな。」
ヒューゴ
 「あぁ。」 (頷く)
警士
 「お待ちしておりました。
  中へどうぞ。」

ルル
 「なんだよ。
  いつまで待たせるんだよ。」
軍曹
 「さぁなぁ。
  またお得意の”駆け引き”だろ。」
ゼクセンの高官
 「これはこれは、お待たせしたようですな。」
 「わたくし、ゼクセンの評議会で働く者です。
  評議会議員の代理として、
  親書を受け取りに参上しました。」
軍曹
 「代理?」
高官
 「はい、私が”代理”でございます。」
ヒューゴ
 「代理ってどういうことだ?
  おれはカラヤ族を代表して、
  ”評議会議長”に親書を渡すように
  言われている。」
高官
 「評議会議員の皆様は、忙しい方ばかりです。
  ゼクセン連邦は、遠く別大陸にまでその地を広げ、
  多くの国とのつきあいがあります。
  それゆえ、そのようなことにかまっている時間は
  ございません。」
軍曹
 「ふざけたことを!
  おまえたちは、グラスランドのシックスクランの
  保護なしじゃジョウストンまで行って
  物売りもできなかったくせに!!!」
高官
 「これはこれは、
  物売りとは、冗談がすぎますよ。
  あなたがたに通行料をずいぶんと
  払ったと思いますが?」
軍曹
 「ちっ・・・・・・・・・・・」
高官
 「よろしいですかな?
  それでは、親書をあずからせてもらいます。」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・これが親書だ。」{1}
 「おれはルシア族長の命でここに来ている。」{2}


{1}
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・これが親書だ。」
高官
 「たしかに受け取りました。
  それでは失礼します。
  私も忙しいものでして。」


{2}
ヒューゴ
 「おれはルシア族長の命でここに来ている。
  その命を果たさず帰るわけにはいかない。
  評議会議長との面会をお願いしたい。」
高官
 「ですから、評議会議員の方々は
  みな、忙しいのです。
  わかっていただけますか?」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・これが親書だ。」{1}
 「しかし・・・・・」{3}


{3}
ヒューゴ
 「しかし・・・・・・・・」 (首を振る)
高官
 「こう見えても、
  わたしも忙しい身ですのでねぇ。
  それに、代表としてきみのような子供を
  よこすのですから、
  これで対等というものでしょう。」
ヒューゴ
 「これが親書です・・・・・・・」{1}
 「おれはカラヤの戦士だ。」{4}


{4}
ヒューゴ
 「おれは一人前としてみとめられた
  カラヤの戦士だ。
  それを・・・・・・・・」
高官
 「ゼクセンでは、きみぐらいの年の少年は
  ”子供”と呼ばれます。
  さて、いつまでもこうしているわけにも
  いかないでしょう?」
ヒューゴ
 「くっ・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ルル
 「なんだよ!なんだよ!!!!!!
  エラそーーに!!!!!!」
軍曹
 「まぁ、いちおう親書はわたした形になった。
  あまりゴネてもしかたあるまい。
  この件はルシア族長に報告するとして・・・
  とっとと宿にもどって帰り支度をしようぜ。
  こんなとこ、さっさとおさらばさ。」
ルル
 「おさらばさ!」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 (ギルドホールを睨みつける)



◇宿屋◇


軍曹
 「なんだか、かんじの悪い奴らだったな。」
ルル
 「ほんと、ほんと。
  バカにしてるよ。あれだけ待たせておいて
  あの態度はないよなぁ。」
ヒューゴ
 「ああ。
  ずいぶんとイメージが違うけど、
  あんなヤツばかりってわけじゃないだろうさ。」
軍曹
 「そうだな。
  町中の奴らは、悪い奴ばかりじゃなかったな。
  ひとのことジロジロ見るのだけは
  カンベンしてほしかったけどよ。」
ルル
 「でも、これで帰れるんだね。
  はやくカラヤにもどりたいよ。」
ヒューゴ
 「そうだな。
  この街は楽しいものが多そうだけど、
  なんだか、息苦しいな。」
軍曹
 「そうさ。
  グラスランドの方がよっぽど楽しいぞ。」
ルル
 「うん!!
  朝一番で発つんだよね。」
ヒューゴ
 「ああ・・・・・・・・
  ?
  なんだか、騒がしいな。」
軍曹
 「?」


レオ
 「おまえたち二人は裏にまわれ。
  いいな、子供が二人に、アヒル野郎が一匹だが、
  油断するなよ。
  グラスランド人は、気性が荒いからな。」

宿屋の主人
 「こ、これは、何事ですか?」
パーシヴァル
 「すまんな主人。
  ここに泊まっているグラスランド人たちを
  捕らえるよう命令が出ていてね。」
主人
 「ま、まさか、何か犯罪でも?
  これだから蛮族たちを泊めるのは・・・・」
レオ
 「いや、情勢が変わってな。
  ちょいとばかりたずねることがあるのだ。
  入るぞ!!!!!!!」
 「?」
 「逃げられたか!!!
  追うぞ!!!!!!!!!!!!!!」
パーシヴァル
 「だいじょうぶ。
  大声を出さなくても聞こえているさ。」


ルル
 「ハァハァハァハァハァ・・・」
ヒューゴ
 「いったい、何がおこっているんだ?」
軍曹
 「わからんが、あの鉄頭たち完全武装だったぜ。
  ただごとじゃあない。
  さぁ、走るぞ!」


兵士
 「ん?あれか?
  おい!おまえたち止まれ!!!!」
ルル
 「ど、どうしよう?」
ヒューゴ
 「話をして、わかる相手だと思うかい?」
軍曹
 「無理だろうな。」
ヒューゴ
 「ルル!!かまえろよ!!!」



◇ゼクセの市門◇


パーシヴァル
 「さーーて、グラスランドからのお客人方、
  少々、話があるんでご同行できませんかね?
  どうやら、訓練不足の部下が何人か、
  手ひどい扱いをうけたようですが、
  それは不問にしておきますよ。」

ヒューゴ
 「こっちには、話なんかない!!
  いったい、何があったっていうんだ!!」
軍曹
 「説明もなしに、ついていくことはできないね。」
ルル
 「できないね。」
レオ
 「ゼクセンとグラスランドの休戦協定の交渉の席に
  グラスランド側が奇襲をしかけたと知らせが入った。
  だまし討ちとは、ずいぶんなことだな。
  おまえたちが、ここにきたのも
  こちらの目をあざむくためだったのだろう。」
ルル
 「なに言ってやがる!!!!
  そんなことするかよ!!!!!!!!
  少なくとも、
  ルシア族長はそんなことしないぞ!!!!」
軍曹
 「ダッククランは尻尾の先まで勇気の固まりだ。
  そんなことをする必要なんかない!!」
レオ
 「それは、いずれわかるだろう。
  それよりも、我が騎士団の仲間が
  グラスランドの部隊に包囲されている。
  おまえさんたちには、人質になってもらう。
  カラヤ族の族長の息子ということであれば、
  包囲を説くのと交換ということもありあえるからな。
  すまんが、いっしょに来てもらうぞ。」

ヒューゴ
 「いやだ!!」{1}
 「つかまる気はないよ。」{2}


{1}
ヒューゴ
 「いやだ!!
  カラヤ族は卑怯なことなんかしない!!」
レオ
 「それもまた、いずれわかることだ。
  だが、いまは我が戦友を助け出すのが先だ。」

(戦闘)

パーシヴァル
 「さーて、そろそろ観念してもいいんじゃないか?
  これ以上やると、無傷でつかまえるってのが
  むずかしくなるからね。」
軍曹
 「ちっ・・・・・余裕みせやがって。」
レオ
 「そういうわけだ。
  だいじょうぶだ。
  交渉が終わるまでは、傷つけるつもりは・・・」
ヒューゴ
 「そうは、行かないよ!!」 (上を見上げて笑う)


{2}

ヒューゴ
 「つかまる気はないよ。」 (上を見上げて笑う)
パーシヴァル
 「そちらになくても、
  こっちは、その気満々だからな・・・・・」


ゼクセン騎士
 「な、なんだ!!!
  わーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ヒューゴ
 「軍曹!!ルル!!!!走れ!!!!!!」
パーシヴァル
 「ま、待て!!!!!!」
フーバー
 「キュィィィィィィンンンンンン!!!!!」
レオ
 「おい、追跡するぞ!!!!
  急げ!!!!!!!!」
ゼクセン騎士
 「は、はい!」



◇ゼクセンの森◇


ルル
 「なんとか、まいたみたいだね。」
軍曹
 「ここはまだゼクセンの領内だから、
  安心はできないけどな。」
ルル
 「でも、フーバーのおかげでたすかったよ。」

ヒューゴ
 「よくきてくれたな、フーバー。」
フーバー
 「キュイイイインン!」
ルル
 「でも、なんであそこにいたんだろう。
  さみしくて、見に来たのかなぁ?」
軍曹
 「おおかた、腹でもへってたんだろ。」
フーバー
 「キュイイイイイイイインンン!!!」
軍曹
 「わ!わ!わ!わ!!
  やめろ!やめろ!!
  わかった!!わかったから!!!!!!」
フーバー
 「キュィィィィンンンン」
ルル
 「ははははははははははははははは」

ヒューゴ
 「そろそろ行こう。
  あの騎士たちの言ってたことが気になる。
  もどって確かめないと。」
軍曹
 「そうだな・・・・・
  また、戦いになるのかもな。」
ルル
 「へっちゃら!へっちゃら!!!
  鉄頭なんか、こわくもなんともなかったぜ!!」



◇ブラス城◇


軍曹
 「さあて、ここが問題だ。
  追っ手がかかってるみたいだが、
  ここには、まだ知らせは届いてないだろう。
  だが、グラスランドとゼクセンが
  戦いになってるなら、
  すんなり通るのはむずかしいだろうな。」
ヒューゴ
 「そうだな。」
ルル
 「うん、うん。そうだね。」
軍曹
 「とにかく目立たないことがかんじんだ。
  できるだけ平静をよそおっていけよ。
  急ぐな。ゆっくり歩けよ。」
ヒューゴ
 「わかった。」
ルル
 「うん、うん。わかったよ。」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「じゃあ行くぞ。」
 「ちょ、ちょっと待て!!
  フーバー、おまえはついてくるな。
  目立つだろう!!!」
フーバー
 「キュィィィィィィィィンンンン」
ヒューゴ
 「あの壁ぐらい、
  フーバーなら飛び越えられるだろう?
  おれたちもすぐ行くから、
  先に行ってな。」
フーバー
 「キュゥゥゥゥンンンン」
ヒューゴ
 「ほら、ほら、見つかる前に行くんだ。」



◇ブラス城内◇


(余計なところに行こうとしたら)
「この先は、危険だな・・・・・」


(検問)

ルル
 「な、なぁ・・・・まだかなぁ。」
ヒューゴ
 「しっ!」
ルル
 「ちぇ・・・・・」
 「な、なんか緊張してきたな。」
 「いてて!!
  な、なにするんだよぉ軍曹。」
 (軍曹にアヒル腹アタックをくらう)
軍曹
 「さわぐなって言ってるだろう。
  そろそろ、おれたちのことが
  ここに伝わっていてもおかしくないんだからな。」
ルル
 「だって、それは軍曹が・・・・・」
ヒューゴ
 「しっ!」
ルル
 「ちぇ・・・・・・・・・」

レオ
 「やつらは、もう抜けたか?」(※)
パーシヴァル
 「さあ、運しだいでしょうねえ
  案外その辺にいるってことも」(※)
レオ
 「まさかな」
(※)

男(検問受けてる人)
 「あ・・・・もしかして、
  あの・・・・・・誉れ高き六騎士の
  レオ卿とパーシヴァル卿ですか?」
レオ
 「うむ・・・・そうだが・・・・・・・・」
 「おまえ・・・・・・・」 
(ヒューゴたちに気付く)
軍曹
 「逃げろ!!!!!!」
レオ
 「パーシヴァル、おまえのカンが当たったぞ。」
パーシヴァル
 「あんまりうれしくないというお顔ですな。」
レオ
 「楽しいわけがあるか!」

レオ
 「どこへ行った?」
パーシヴァル
 「ずいぶんと逃げ足が早いですね。」
レオ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


軍曹
 「ぐほっ!ぐほっ!」
ルル
 「いたたたたたたた!!!!!」

ヒューゴ
 「う・・・・うううう・・・・・・・」
ルル
 「ひ・・・ひでぇ目にあった・・・・・」
軍曹
 「まったく・・・・・・」

ヒューゴ
 「ぐ・・・軍曹・・・・ルル・・・
  ど・・・どいて・・・・・・・・・・・・」
ルル
 「あ!ごめん!!!」
軍曹
 「ちょっと待ってろ・・・うわっ!!!」(※)

(落ちる)



◇ブラス城の抜け道◇


ヒューゴ
 「こ・・・・ここは?」
軍曹
 「どうやら、あの砦の隠し通路みたいだな。
  あの騎士たちが知らなかったということは
  ずいぶんと古いもんだろう。」
ルル
 「じゃあ、ここをぬければ逃げられるかな?」
軍曹
 「まぁそれしか方法があるまい。」

軍曹
 「ここが・・・・出口みたいだな。」
ルル
 「これでグラスランドにもどれるかな?」
ヒューゴ
 「ゼクセン側に逆もどりって可能性もあるさ。」
軍曹
 「そうだな。
  脱出用なら、その可能性が高いだろうな。」
ルル
 「うぅ・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「まぁ、こうしててもしょうがない。
  行くぞ。」
ヒューゴ
 「うん。」

ルル
 「ふぅ・・・・・・
  やっと外に出られたね。
  空気がおいしいよ。」
ヒューゴ
 「地下道の中は空気がよどんでいたからな。」
軍曹
 「さあて、ここはどっち側だ?
  グラスランドか?ゼクセンか?」
ヒューゴ
 「フーバー!!!!!!」
フーバー
 「キュィィィィンンンンン!!!!」
軍曹
 「フーバーがここにいるってことは・・・・」
ルル
 「こっちはグラスランド側だね!!!
  やったぁ!!!!!!」
軍曹
 「そうだな。
  さぁ、急ぐぞ。
  カラヤの方で何かおこってるみたいだからな。
  悪い予感がするんだ・・・・・・・」



◇アムル平原◇


(カラヤのほうから上がる煙を見て)
ルル
 「あ・・・あれ・・・・・・・
  あれ見てよ!!
  ヒューゴ!!軍曹!!!!!!!!!!」
ヒューゴ
 「ま・・・・まさか・・・・・・・・」
軍曹
 「急ぐぞ・・・・・ヒューゴ、ルル。」



◇カラヤの村◇


ヒューゴ
 「煙・・・・・・・・
  これは・・・・いったい?」
 「まさか・・・・・・
  カラヤの村が・・・・・・・」
軍曹
 「ちっ!!!!!!!!!!」
ルル
 「う、うそだろ・・・・」
軍曹
 「あ!!!ルル!!待て!!!
  待てって!!!!!!」
ヒューゴ
 「くそっ!!!!!!!!!!!
  いったいどうなってるんだ!!!!!!」


(村の外に出ようとすると)
「いまは、ルルを追いかけないと!!」


(倒れているカラヤの人を見て)
軍曹
 「この傷は剣のものだ!!!!!!
  ついてこい!ヒューゴ!!!!!!!!
  そばを離れるなよ!!!!!!!!」


クリス
 「・・・・・こんな村・・・・
  焼け落ちれば良い・・・」
ルル
 「お、おまえが!!!!
  よくも!!!!!!!!!!!!!!!!」

(ルル、斬られる)

ヒューゴ
 「ル・・ルル・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「くっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヒューゴ
 「ルル!!!!
  ルル!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(ルルを抱きしめる)
 「ど・・・どうして・・・・・・・
  なんで・・・・・・・・・・・・・・・・・
  おれがゼクセンまで行ってきたのは・・・・・・
  休戦のための親書だってきいてたのに・・・・
  なんで・・・・・・・・・・」 (クリスを見上げる)
クリス
 「わたしは・・・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「なぜ・・・・・」{1}
 「ゆるさない!!!!!」{2}


{1}
ヒューゴ
 「なぜ・・・・・・・
  なぜだよ・・・・・・・・・・・・・・」
クリス
 「わたしは・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「休戦ってのは・・・・
  おれたちをだますための嘘だったのかよ!!!」 
(クリスに向かって構える)
クリス
 「何を・・・・・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「待て、ヒューゴ!!!!!!!」
ヒューゴ
 「軍曹!!!
  なんで・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「見ろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
サロメ
 「お急ぎください、クリスさま。
  敵軍が迫っているようです。」
クリス
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  すまない・・・・・・・少年・・・」
ヒューゴ
 「ま、待て!!!!!!!!!!!!」

{2}
ヒューゴ
 「ゆるさない!!!!!
  おまえたち、ゼクセン人をゆるさない!!!!」

(一騎打ち)

サロメ
 「お引きください、クリスさま。」
軍曹
 「待て!!ヒューゴ!!!!!!」
ヒューゴ
 「軍曹!!!!
  なんで止める!!!!!!!!!!!」
クリス
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
サロメ
 「行きましょう。
  時間がありません。」


軍曹
 「すまんな、ヒューゴ。おれはルシア族長から
  お前を守るように頼まれている。
  おれとお前とフーバーだけじゃ、
  勝てないからな・・・・・・・・・・・・
  それよりルルを・・・・・・・・・・・・・・」


軍曹
 「こんな・・・・・もんか・・・・・・・・
  本当ならまじない師をよんでやらないと
  いけないんだけどな・・・」
フーバー
 「キュゥイイイイイイインンンンン・・・・・・」
ヒューゴ
 「ルルを守ってやれなかった・・・・・・・」
軍曹
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「母さんにも・・・ルースにも・・・・・
  約束したのに・・・・・・・・・
  ルルを・・・・ルルを・・・・・・・」
軍曹
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「どうして・・・・・ルルが・・・・・・・
  なんで・・・・・・・・・・・・・」 (ガクッと膝をつく)
フーバー
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「ついさっきまでいっしょにいたのに・・・・・
  こんなに・・・・あっけなく・・・・・・・
  くそっ・・・・おれが・・・・・・・・・・・・」 (前かがみになって手をつく)
軍曹
 「おい・・・・・・・・生意気言うなよ、小僧。」
ヒューゴ
 「軍曹・・・・・・・・・・・・・・・」 (そのままの体勢で軍曹を見上げる)
軍曹
 「守ってやるってなんだ?
  いつからそんなに偉くなったんだ?
  おまえ、狩りはうまいだろうが、
  さっきのあれはな”戦い”なんだぞ。
  おまえのようなガキが、守るだの、なんだの
  言えるような場じゃないんだ!」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 (上体を起こす)
軍曹
 「戦いは狩りとは違う。
  狩りでも死ぬ者はいるが、
  戦いで死ぬのと意味がちがう。
  ルルは武器を持って戦いを挑んだ。
  相手の死を望むなら、
  自分の死も覚悟せねばならない。
  戦士なら死を覚悟せねばならない。
  おまえの剣は狩りのためだけでなく、
  戦いのためにも振るえる物だ。
  戦士として生きるなら、おまえも覚悟しておけ。」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「ちっ」
 「しかし、ずっとここにいるわけにはいかないな。
  カラヤの本隊も戻ってこないみたいだから、
  一度、おれの村にでも戻るか。」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
軍曹
 「いつまで、そんな顔してるんだよ。
  こっちまで・・・・・・・・・・・・・・・・・
  くそっ・・・・・・・・」



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