ヒューゴ語録


*第2章*
 :ルースの涙:
 :母親の愛情
 :炎の英雄
 :ジンバは「兄ちゃん」らしい



◇大空洞◇


ルース
 「ヒューゴ!!ヒューゴじゃないかい!!!」
 「あんたたち、無事だったんだね。あれから
  カラヤの村が襲われてね、ほんと大変だったよ。
  あんたらもびっくりしただろう?
  もどったら、村がなくなってるんだからね。」
 「ルシア!!ルシアったら!!!!
  ヒューゴたちが来たよ!!!!!!!!!!」
ルシア
 「よく、ここがわかったわね。
  迎えをだそうとしたんだけど、
  なにぶんこんな状態だからね。
  でも・・・・・・・・・・・・・・」
ルース
 「ほんとだよ。
  ところで、ルルはどうしたんだい?まったく、
  あの子ったら迷惑かけどうしだっただろう?
  どうしたんだい?途中ではぐれたのかい?」
 「ほんとにしょうがないねぇ。
  あの子は、何かめずらしいものを見つけると
  すぐ、すっ飛んでいっちまうんだ。」
 「夕食の前に、小言をたっぷり聞かせないとね。
  ほんとに、いつだってそんな調子で
  気が休まるヒマがないわ。
  まぁ、だいじょうぶさ。
  あんたたちがここまで来られたんだ。
  ルルもそのうち、追いついてくるさ。」
 「ね。そうだ・・・・・ろ・・・・・・・・
  そう・・・・なん・・・・・だろう・・・・・・」

ヒューゴ
 「それは・・・・・・・・・・・・・・・」{1}
 「すいません・・・・・・・・・・・・・」{2}


{1}
ヒューゴ
 「それは・・・・・・・・・・・・・・・」

{2}
ヒューゴ
 「すいません・・・・・・・・・・・・・」
ルース
 「な、なにを言ってるの・・・はぐれたのは・・・
  あの子の・・・・・・」


軍曹
 「すまない、ルース。
  おれがついていながら・・・すまない。」
ルース
 「軍曹・・・・・・・・
  でも、でも、行方知れずなんだろう?
  そうなんだろう????」
軍曹
 「カラヤの村が襲われたとき、
  おれたちもそこにいた。
  そこで、ルルは鉄頭の手にかかって・・・・・・
  亡骸は、カラヤの地に埋めた・・・・
  もどれるようになったら、
  まじない師を呼んで・・・・」
ルース
 「ど、どうして・・・・・・・・・」
軍曹
 「燃えるカラヤの村を・・・家を見たときに・・・
  多分、ルルは・・・・・・・・
  ルース、あんたのかたきを取ろうとおもって、
  ナイフを手に・・・・・それで・・・・・・・・」
ルース
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 「ばかな・・・・・・・ばかな子だよ・・・・
  見てみなよ・・・・わたしはこの通り
  ピンピンしてるんだよ。
  それなのに、かたきを取ろうとして
  どうするんだよ・・・
  まったく・・・・まったく・・・
  ・・・・・・まったく・・・・・・・・・」
ルシア
 「ルース・・・・・・・・・」
ルース
 「だいじょうぶ・・・だいじょうぶさ・・・
  ・・・・ルシア・・・
  あの日、子を失ったのは
  わたしだけじゃないさ・・・・・・・・
  ただ・・・ちょっとそれを知るのが
  おくれただけだよ・・・」



ヒューゴ
 「ルースは・・・?」
ルシア
 「心をおちつかせるお茶をのませて、
  今は少し寝ているわ・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「そう・・・・・・・・・・」
(俯き、少しして顔を上げる)
 「母さん・・・・・・・おれ・・・・・・・
  あの時・・・カラヤで・・・軍曹に止められて
  ・・・ルルの仇を・・・取れなかった・・・・
  助けるのは無理だったけど・・・
  ・・・仇くらいなら・・・
  でも、後で・・・軍曹に怒られたんだ・・・
  でも・・・・おれ・・・
  やっぱり、あの時戦って・・・」
ルシア
 「ヒューゴ・・・・・・
  カラヤ族は・・・グラスランドに住む者はみな、
  戦わなければ生きていけない・・・・
  来たのハルモニアはもちろん、
  東の(デュナン共和)国もゼクセンも、この地を
  わたしたちから取り上げようと狙っている。
  だから、わたしたちは長い長い間、戦ってきた
  そして、それは今も変わらない
  わたしも・・・みんなも戦ってきたが・・・
  ・・・何も変わらなかった。
  グラスランドに住む者が、何かを守ろうと思ったら
  それは戦うしかない・・・・・」
ヒューゴ
 「じゃあ・・・おれは、やっぱり・・・・・・」
(ルシア、ヒューゴの頭を抱き寄せる)
ルシア
 「あなたが・・・何を守るために・・・戦うのか
  ・・・・それは、あなた自身が決めなさい・・・
  でもね、忘れないで・・・・・
  わたしは、あなたの身を
  いつだって案じているってことを・・・
  さっき、わたしはルルのことを嘆くルースを
  なぐさめながらも、あなたの身が無事だった喜びが
  わきあがるのをおさえきれなかった・・・・・・
  ヒューゴ・・・
  多くの母親がそうであるように・・・・
  わたしもあなたを愛しています。
  そのことを・・・・おぼえておいて・・・・・
  あなたの死を嘆く者がいるってことを・・・・・」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・」{1}
 「わかってるさ・・・・・・・・・・」{2}
 「わ、わ、わかってるって!」{3}


{1}
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルシア
 「・・・・・・・・・・・・・・・・」

{2}
ヒューゴ
 「わかってるさ・・・・・・・・・・」
ルシア
 「そうだね・・・・・・・・
  あんたは、やさしい子だ・・・
  父親に似て・・・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

{3}
ヒューゴ
 「わ、わ、わかってるって!
  ・・・や、やめろよ!」 (もがく)
ルシア
 「そうだね・・・・・・・・
  あんたは、やさしい子だ・・・
  父親に似て・・・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(軍曹が駆けてくる)
軍曹
 「ヒューゴォーーーー、
  お、すまんすまん!」 
(顔を背ける)
(ヒューゴ、ルシアを振り払って軍曹に駆け寄る)
ヒューゴ
 「ち、ち、ちがうよ、軍曹!」
軍曹
 「いいって、いいって、ひさびさなんだろう
  たっぷり甘えておきなって。」
ヒューゴ
 「だ、だからぁ!!」
軍曹
 「はははははははははははははははは」
ルシア
 「ふふふ・・・・・・・・・」
ヒューゴ
 「も、もう・・・・・・・・
  それより、何か用があるんじゃないの軍曹。」


(軍曹が駆けてくる)
軍曹
 「ヒューゴォーーーー、
  お、すまんすまん!」
 (顔を背ける)
(ヒューゴ、ルシアを振り払って軍曹に駆け寄る)
ヒューゴ
 「ちがうよ、軍曹!」
軍曹
 「いいって、いいって、ひさびさなんだろう
  たっぷり甘えておきなって。」
ヒューゴ
 「な、なんだよぉ。
  それより、何か用があるんじゃないの軍曹。」
({3}はここから同じ)
軍曹
 「いや、あのデコボコ3人組の姿が見えないんだ
  それで知らないかと思ってな。」
ヒューゴ
 「そうか、変なことになってたら困るからね。
  あのリリィって人は特に・・・・・・
  さがしに行こう、軍曹。」
軍曹
 「おお。それに残りの2000ポッチも
  まだ受け取ってない。」
(ヒューゴ走っていく)
ルシア
 「軍曹・・・・・・お願いね。」
軍曹
 「同じ失敗は、しないつもりだ。」


*アンヌとの会話*
アンヌ
 「あら、ヒューゴくん。
  ヒューゴくんじゃない。」
アンヌ
 「あ・・・・アンヌさん、
  無事だったんですね。」 (笑う)
アンヌ
 「えぇ、まあね。
  途中ではぐれちゃったんだけど、
  なんとか追いつくことができてね。
  でも、まぁ持ってこれたのは
  身の回りのものだけ・・・困ったわ。」
ヒューゴ
 「じゃあ・・・・・・自分の店も・・・・」
アンヌ
 「なぁに、だいじょうぶよ。
  ちょっと遠回りになるけど、
  人生じゃあよくあることさ。
  ここの宿屋でちょっと
  働かせてもらおうかと思ってるんだ。」
ヒューゴ
 「そうなんだ。」
アンヌ
 「そうだ。
  だから、ヒューゴくんも顔を出してよね。
  仲間との待ち合わせとか、
  そういうのなら、請け負うからさ。」
ヒューゴ
 「はい。」
アンヌ
 「それじゃあね。」



◇族長の部屋の前◇


リリィ
 「ちょっとぉ、隠すとためにならないわよ。」
リード
 「お、お嬢さん!!」
シバ
 「きさまは、新しき族長に何てことを、
  無礼な!!」
デュパ
 「いい、シバ。
  おもしろい話だ。聞いてみようじゃないか。
  ティントクランの族長の娘よ。」
リリィ
 「うーーーーん、ちょっとちがうんだけどなぁ。
  まぁ、いいか。
  だからね、わたしたちは”炎の運び手”の後を
  追ってるのよ。それで、知ってることが
  あったらなんでもいいから教えてほしいのよ。」
デュパ
 「”炎の運び手”なつかしい名だ。」
シバ
 「炎の・・・運び手????」
デュパ
 「ああ、おまえは南方から来たから
  知らないのだろう。
  英雄(名前)と炎の運び手の活躍の話を、
  おれも、子供だったころには父親に
  よくねだったものだ。彼らの話を。」

(デュパ、英雄や炎の運び手の活躍、ハルモニアと戦ったことを話す。)

ヒューゴ
 「それで、炎の英雄は?」
デュパ
 「わからないのさ。誰にもな。
  その後、しばらくして彼は姿を消した。
  不思議なことに、それ以来ハルモニアの
  グラスランド侵攻は行われていない。」
 「彼がどうなったかは、わからない。
  遠い西の大陸に逃げたとも
  グラスランドの平和と引き替えに
  その命を差し出したとも言われている。
  今はハルモニアの貴族になっているなんて言う
  ヤツもいる。」
 「だからな、人間の娘。
  ”炎の英雄”をさがすのなんてやめるんだな。
  その時以来、何度も”炎の運び手”が現れたって
  噂はあったが、すべて偽者だったよ。
  全ては過去の英雄物語にすぎないんだ。」
 「だいたい50年以上も前のことだ、
  もし生きていたとしても80才を越えてるはずだ。
  人間がそこまで長くは生きられまい?
  まぁ、ピクニックならそろそろ終わりにして
  お家に帰るんだな。」


リード
 「ちょ、ちょっと待ってくださいよお嬢さん。
  一応、手がかりは見つかったんだから
  そんなに怒らなくても・・・・・・・・・・」
リリィ
 「何よ!
  誰が怒っているっていうのよ!
  まったく、人のことを子供扱いして!」
サムス
 「だから、それが怒っているって・・・・」
リリィ
 「何?!サムス!!」
サムス
 「え・・・あ・・・いや・・・・・・・・・・」
軍曹
 「ほら、言っただろう。
  ”炎の英雄”なんていないのさ。
  だいたい、なんだってそんなに
  ”炎の英雄”にこだわるんだ?」
リリィ
 「うるさいわねぇ。
  わたしの勝手でしょう!」
ヒューゴ
 「それに、デュパ族長も軍曹も言ってたように
  炎の英雄が生きていたとしても
  じいさんになってるなら、仕方ないじゃないか。」
リリィ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 「ふふふ、そうかぁ知らないのねぇ。
  ”炎の英雄”がなんでそんな名前で
  呼ばれているのか。そうでしょう?」
ヒューゴ
 「し、知っているさ!」{1}
 「なんでだ?」{2}


{1}
ヒューゴ
 「し、知っているさ!」
リリィ
 「ふーーーん、
  じゃ、どうして?」
ヒューゴ
 「そ、それは・・・・・・・・・・」{3}
 「・・・・・・・・・うるさい!」{4}


{3}
ヒューゴ
 「そ、それは・・・・・・・・・・」 (俯く)
リリィ
 「ん?
  どうなの???????」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
リリィ
 「もう・・・・強情張っちゃって、
  最初から素直に知らないって言えばいいのに。」

{4}
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・うるさい!」 (プイっと顔を背ける)
リリィ
 「ふふふ・・・・・知らないなら、
  素直に言えばいいのに。」


({2}はここまで飛ぶ)
リリィ
 「ねえ、真なる27の紋章の話は知っている?」
ヒューゴ
 「母さんに何度か聞いたことがある。」
軍曹
 「あぁ・・・・なんでも、
  すごい力を持つっていう紋章のことだろ。
  紋章の親玉だ。」
リリィ
 「”炎の英雄”はその真なる27の紋章の一つ
  真なる火の紋章を持っていたに違いないのよ。」
軍曹
 「それで、”炎の英雄”か?
  単純な・・・・・」
リリィ
 「真なる27の紋章はそれぞれ
  大きな力を持っているわ。
  わたしも小さい頃に一度だけ、
  その力を持つ人に会ったことがあるの。
  たしかな記憶なんかは、ないんだけどね。
  そして、真なる紋章に共通の力が一つだけあるの。
  それは、紋章を宿す者に
  老いることのない命を与える、不老の力よ。」
ヒューゴ
 「つまり・・・・・・」
リリィ
 「そう、”炎の英雄”はいまでも
  このグラスランドのどこかに隠れ住んでいるのよ。
  そして、”炎の運び手”を使って・・・・」
軍曹
 「ティントの商隊をおそっている?
  バカバカしい・・・・・・・
  そんなたわごとよりも、
  もうちょっと現実的な話をしよう。
  約束の2000ポッチを払ってもらえるか。」
リリィ
 「夢がないわね。
  いいわよ、リード。払ってあげて。」
リード
 「それが、お嬢様・・・・・・・」
リリィ
 「なんですってぇ!!!」
リード
 「それが・・・そのぉ・・・・・・・・」
リリィ
 「だいたいねぇ、先の見通しが甘いのよ。」
サムス
 「そんなこと言ったって、
  お嬢さまが最初は1週間って言ってたのに
  もう1ヶ月以上ひきずりまわされて、
  こっちの身にもなってくれよ。」
リリィ
 「もう、結局全部わたしが悪いことになるのね。
  いいわよ。」
 「ごめんなさい、2000ポッチは
  もうちょっと待っててもらえるかしら。」
ヒューゴ
 「どうしたんだい?」
リリィ
 「どうも、路銀がつきてきたみたいでね
  一回どこかでうちの商隊と
  落ち合わないとだめね。」
軍曹
 「ちっ、そんなこったろうと思った。」
リリィ
 「何よぉ、わたしがウソついてるとでも言うの?」
軍曹
 「どうだか?」
リリィ
 「仕方ないでしょう、ないものはないんだから。」
軍曹
 「だいたい、あんたが
  ティントのおえらい嬢さんってのもあやしいな」(※)
リード
 「それは聞き捨てならない!」(※)
リリィ
 「そうよ!」(※※)



◇大空洞、入り口◇


ヒューゴ
 「あ、あれ・・・・・・
  あれ、ジンバじゃないのかな?」
軍曹
 「たしかに、あの歩き方はそうだな。」
ヒューゴ
 「ジンバ!!
  無事だったんだね、ジンバ!!!」
ジンバ
 「おぉ、ヒューゴじゃないか。
  無事だったのかは、おれのセリフだ。
  カラヤの村の方が大変だったんだからな。」
ヒューゴ
 「あぁ・・・・・・この目でも見たし・・・・」
ジンバ
 「そうか・・・・・・・
  ん?そういえば、ルルの姿が見えないな。
  いつだって、
  おまえの後ろをくっついてまわっているのに
  めずらしいな。」
ヒューゴ
 「ルルは、あの戦いの時に・・・・」{1}
 「・・・・・・・・・・・・・・・」{2}

(どちらを選んでも同じ)
軍曹
 「ジンバ、実は・・・・・・・」

ジンバ
 「そうか・・・・・
  おまえたち、大変だったんだな。
  おれも、あの時は村をはなれていて
  もどってみたら、あの通りだったからな。
  なんとか、後をたどってきたんだが
  どうも方向ちがいだったみたいだな。
  チシャ村から、湖の城をたどって
  やっとここにたどり着いたってわけさ。」
ヒューゴ
 「湖の城?」
ジンバ
 「あぁ、ゼクセンとグラスランドの間ぐらいに
  ある城・・・・というか館かな、あれは。
  そこに最近、新しい城主が来て
  多くの人間が集まっているってきいてな。
  少しよってみたんだが、
  中に入る前に、ゼクセンの巡察隊と
  はち合わせて逃げてきたのさ。
  ちょっと、調べたいことがあったんだがな・・・」
ヒューゴ
 「ふーーん。」
ジンバ
 「さて、まずは族長に報告をしておかないとな。
  おれが生きてるって。
  どこにいるか、案内してくれるか?」
ヒューゴ
 「あ、あぁ。」



◇大空洞◇


ルシア
 「ジンバ、おまえも無事だったのかい。
  よかった・・・・」
ジンバ
 「はい、なんとか。
  それに・・・いくつか情報を集めてきました。
  ハルモニアの動きのこと、ゼクセンの中のこと、
  そして”炎の英雄”についても・・・・」
ルシア
 「”炎の英雄”?
  死したる(英雄の名)のことか?」
ジンバ
 「はい・・・・・・・・」
軍曹
 「おっと・・・おれたちは、
  じゃまらしい。
  行くぞ、ヒューゴ。」
ヒューゴ
 「え?」
軍曹
 「秘密の話ってことさ。
  子供は、こっちだ。」
ヒューゴ
 「なんだよ、それ?」


ヒューゴ
 「ねぇ、軍曹。」
軍曹
 「なんだぁ?」
ヒューゴ
 「ジンバの言ってた”炎の英雄”って・・・」
軍曹
 「そうだなぁ。
  多分、さっきの話の英雄と同じだろうけど
  なんで今頃・・・・・
  あの、お嬢ちゃんといい、わけがわからんよ。」
リリィ
 「聞いたわよ!」
軍曹
 「うわ!!おどかすなよ!!!」
リリィ
 「ジンバって、さっきのあの兄ちゃんのことね。
  今度こそ、”炎の運び手”の手がかりを
  聞き出すわよ!」
軍曹
 「あ、おい!ちょっと待て!!」
リリィ
 「わ!!!!!!!!
  な、なんで、そこにいるのよ!!」
ジンバ
 「?」
 「ヒューゴ、
  ところで例のものは届けてくれたか?」
ヒューゴ
 「もちろん!」{1}
 「例のもの?」{2}


{1}
ヒューゴ
 「もちろん!」

{2}
ヒューゴ
 「例のもの?」 (首を傾げる)
ジンバ
 「あぁ。ビネ・デル・ゼクセに行く前に頼んだろう。
  お守りを、ゼクセンのライトフェロー家に
  届けてくれって。」
ヒューゴ
 「あ、あぁ。
  だいじょうぶ、ちゃんと届けたさ。」


ジンバ
 「そうか、ありがとう。
  これで少しは、気が晴れる。」
(*一章で届けなかった場合の展開は不明)

リリィ
 「ちょ、ちょっと。
  わたしのこと無視しないでよ!
  あなた、”炎の英雄”のこと
  知ってるんでしょう?」
ジンバ
 「それにしても・・・・
  騎士団が、この大空洞にも攻め込んで来るとは・・
  なんだか、裏があるような気もするな。」
リリィ
 「こらぁ!
  人の話を聞きなさいって言ってるでしょう!」
ヒューゴ
 「なぁ、ジンバ。
  ”炎の英雄”って言ってたよね。
  何か知っているの?」
ジンバ
 「あぁ、そのことで話があるんだ。
  ”炎の英雄(名前)”・・・というよりも
  彼の率いていた炎の運び手の残党がいるらしい。
  どうも、このグラスランドに
  軍を進めようとしているのは
  ゼクセンだけじゃないようだからな。
  少しでも、味方になってくれるやつは
  集めたいんだ。」
リリィ
 「そうそう、素直に話せばいいのよ。
  うんうん。」
ジンバ
 「それでな、ヒューゴ。
  ルシア族長と相談したんだが、それが入れなかった
  湖の城へ行ってくれないか?」
ヒューゴ
 「湖の城?
  どうして?」
リリィ
 「もちろん!”炎の英雄”に会うためよ!」
ジンバ
 「湖の城には、新しい城主が来てから
  あちこちから人が集まっているらしい。
  あの城は場所がら
  ゼクセンとグラスランドの交流の場と
  なることが多かったんだ。
  最近は、すたれていたんだが
  城主がずいぶんと変わったヤツらしくて、
  グラスランドの人間を
  集めようとしてるって話だ。」
ヒューゴ
 「ふーーん。
  それが、”炎の英雄”とどんな関係が?」
ジンバ
 「どうも、そこが炎の運び手の
  隠れ蓑になってるらしいんだな。
  それで、そこに行って
  城主か、もしくは炎の運び手のメンバーと
  コンタクトをとってきてもらえないか。」
リリィ
 「そんなことなら、おまかせあれ。」
ヒューゴ
 「おれが?」
ジンバ
 「いやなのか?」
ヒューゴ
 「そんなことないさ。」{1}
 「でも・・・・・・・・・・・」{2}


{1}
ヒューゴ
 「そんなことないさ。」 (首を振る)
ジンバ
 「なら、決まりだ。
  とりあえずは中にもぐりこんで、
  様子を調べてくるだけでもいいさ。」


{2}
ヒューゴ
 「でも・・・・・・・・・・・」
ジンバ
 「でも・・・・なんだ?
  行かない理由はないだろう?」
ヒューゴ
 「わかったよ。」{3}
 「でも・・・・・・・・・・・」{4}


{3}
ヒューゴ
 「わかったよ。」
ジンバ
 「なら、決まりだ。
  とりあえずは中にもぐりこんで、
  様子を調べてくるだけでもいいさ。」

{4}
ヒューゴ
 「でも・・・・・・・・・・・」
ジンバ
 「おいおい、族長のもとを
  はなれたくないってことじゃないだろうな。
  おまえは、カラヤの男だろう?」
ヒューゴ
 「わかったよ。」{3}
 「でも・・・・・・・・・・・」{5}


{5}
ヒューゴ
 「でも・・・・・・・・・・・」
ジンバ
 「ふぅ・・・・・・まいったな・・・・・・
  軍曹、ちょっと来てくれるか?」
軍曹
 「あぁ?
  なんだ?」

軍曹
 「ヒューゴ、湖の城へ行くぞ。」
ヒューゴ
 「だから、なんでおれが?」
軍曹
 「ルシア族長からの命令だ。
  それとも、尻込みしてるんじゃないだろうな?」
ヒューゴ
 「・・・・・・・・・・・わかったよ。」
ジンバ
 「よし、決まりだ。
  とりあえずは中にもぐりこんで、
  様子を調べてくるだけでもいいさ。」


軍曹
 「適当に中に入って、
  城主なり、城主がかくまっているっていう
  炎の運び手のメンバーと会えればいいんだな。」
リリィ
 「まぁ、簡単な話ね。」
ジンバ
 「そうだ。
  急ぎになるんでな。
  すぐにも出発してくれるか?」
ヒューゴ
 「わかったよ。」
リリィ
 「よおし!レッツゴーー!!!!!!」
(みなに物言いたげな目線を送られる)
 「??????????」
ヒューゴ
 「リリィさんも行くの?」
リリィ
 「も・ち・ろ・ん!!!!!!!!」



◇大空洞、入り口◇


ジンバ
 「それじゃあたのんだぞ、ヒューゴ、軍曹。」
ヒューゴ
 「あぁ、まかせといてくれよ。」
軍曹
 「それじゃあな。
  そっちも、がんばれよ。」
ジンバ
 「あぁ。」
ヒューゴ
 「そっちって?」
軍曹
 「あ・・・あぁ・・・・・・」
ジンバ
 「あぁに、こっちの話さ。
  つまらん仕事がまってるんでな。」

リード
 「なんで、そんなところに行くんですか???」
リリィ
 「炎の運び手のメンバーがいるっていうのよ。
  仕方ないじゃない。」
サムス
 「ティントからの商隊と待ち合わせしてるのに、
  そっちは、どうするんだい?」
リリィ
 「そんなの、湖の城まで来させればいいのよ!」
リード
 「グラスランドを横断させる気ですかぁぁぁ???
  こんな、いつどこで戦いになるか
  わかんない時にぃ!!!」
リリィ
 「さぁ、行くわよ。
  ゴーゴー!!!」
リード
 「え、あ、ちょっと、待って・・・・・」
サムス
 「やれやれ・・・・・・・」



第3章その1